【マンガ感想】
『ましろのおと 2巻 (羅川真里茂)』
ましろのおと(2) (月刊マガジンコミックス)
羅川 真里茂 講談社 2010-12-17 by G-Tools |
過去記事はこちら → 1巻
【あらすじ】
東京の高校に転入した雪はクラスメイトの前田朱利が「津軽三味線愛好会」を設立しようとしていることを知る。三味線のことは何も知らないのに愛好会を作りたいという朱利が理解できないでいた雪だが、ふいに朱利のケータイから聞き覚えのある旋律が流れる。それは紛れもなく雪の祖父が遺した曲「春暁」のフレーズだった‥‥。羅川真里茂が贈る唯一無二の津軽三味線×青春ストーリー! 「邂逅」と「激動」の第二巻!!
津軽三味線を得意とする高校生の成長物語です。
主人公・『澤村雪』は青森で祖父・『松吾郎』と兄・『澤村若菜』と住んでいる高校生。
ある日、津軽三味線の師である祖父・『松吾郎』が亡くなってしまう。 そのことは、主人公・『澤村雪』に
弾くべきを音を失わせることとなる。 主人公・『澤村雪』は自分が弾くべき音を探しに、青森を出て
東京へ上京することになる・・・。
という感じで始まる作品でして、津軽三味線の奏者(といっても実績はゼロ)の主人公・『澤村雪』が
三味線のみを持って単身、青森から東京へ上京してきて、様々な人々と出会いながら、自分の弾く
べき音を探していくという成長物語です。
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ここからは、2巻の感想。
2巻では、主人公・『澤村雪』の東京での学園生活が描かれつつも、祖父・『松吾郎』が作った即興曲を
知っている少女・『前田朱利』に出会ったり、その出会いをきっかけに『神木清流(緒方洸輔)』の
コンサートに行くこととなったり、とあるイベントをきっかけに祖父・『松吾郎』が作った即興曲を
主人公・『澤村雪』が弾くこととなったりと、多くのイベントが描かれております。
そんな2巻のメインとなるのは、やはり東京で祖父・『松吾郎』が作った即興曲に出会ったことでしょう。
このイベントは、津軽三味線愛好会を作ろうとしている少女・『前田朱利』が授業中にこっそり聞いていた
『祖母との会話(録音)』が教室中に流れてしまったことから始まります。 その『祖母との会話』の中に
祖母が“とある音楽”を口ずさむ場所がありまして、その“とある音楽”に唯一反応したのが主人公・
『澤村雪』でした。 何故、主人公・『澤村雪』が反応したのかというと、ナント、その“とある音楽”が
主人公の祖父・『松吾郎』が作った即興曲・『春暁』にそっくりであったからでして、『澤村雪』は
『前田朱利』に、何故この曲を知っているのかを聞きだそうとします(人見知りなのに・・・)。
『前田朱利』が言うに、この曲は“彼女の祖母”が小さい頃に秋田に疎開したときに聴いた曲らしい。
その曲を弾いていたのはボロボロの三味線を持つ少年であったらしく、“彼女の祖母”が配給の芋を
その少年にあげたところ、題名の無い曲を弾いてくれたようです。 しかし、“彼女の祖母”はその
出来事自体は覚えているのですが、音が出てこないらしく、長い間、その音楽を聴きたがっていた
ようです(祖母は現在、介護施設で寝たきりの状態となっている)。
その話を聞いた主人公・『澤村雪』は、祖父の即興曲・『春暁』を“彼女の祖母”のために弾くことを
決意することとなります。 しかし、その『春暁』は非常に難しい曲であるようで、技術的にも気持的にも
現在の主人公・『澤村雪』では弾くことが難しいようです。 そこで、主人公・『澤村雪』は祖父の演奏の
コピーをすることを止め、自分の演奏技術にあったアレンジを加えることで、自分流の『春暁』を
作り上げることとなりました。
その後のイベントに関しては、激しくネタバレになってしまうため詳しくは書きませんが、
その演奏により、主人公に大きな変化(成長)が見られたことは興味深かったですし、何よりも
このイベントを通して、主人公に友人と呼べる人々が多く出来たことが良かったと思います。
次巻以降は、津軽三味線愛好会での主人公の活躍が中心に描かれていくことになりそうで、
ますます主人公が成長していきそうな感じがしますね。 次巻も楽しみです。
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【総評】
2巻では、主人公が津軽三味線愛好会に入るまでが収録されております。
1巻とは違い、2巻では学園描写が増えたことで物語に入りやすくなりましたし、
何よりも、魅力的なキャラクターが増えたことが個人的に良かったと思います。
次巻も楽しみです。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。