『月光条例 2巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『月光条例 2巻 (藤田和日郎)』

 
月光条例 2巻
藤田 和日郎

月光条例 2 (2) (少年サンデーコミックス)

409121469X

 

過去記事はこちら → 1巻

 

 

【あらすじ】

何十年かに一度、青い月光に照らされて、おかしくなってしまう「おとぎばなし」の世界。それを元に戻す「月光条例」の執行者に選ばれた高校生・岩崎月光が、ねじれた物語の住人たちと戦うことに!

 

 

『うしおととら』などで有名な富士鷹ジュビロ・・・・じゃなく藤田和日郎先生の最新作。

久しぶりに少年誌に帰ってきた先生の最新作のテーマは『おとぎばなし』です。

 

何十年かに一度、青い月の光が地上に降り注ぐとき、すべてのおとぎばなしは「ねじれ」てしまう。

ねじれるとは、おとぎばなしのキャラクター達が、話の束縛から解き放れて、

暴れまわることで、その暴走を止めるために御伽草子の一つ・『鉢かづき姫』が

おとぎの世界から助けを求めてやってくる・・・

 

という感じで始まり、主人公・『岩崎月光』と『演劇部(あだ名)』が巻き込まれ、

主人公・『岩崎月光』は『鉢かづき姫』より救世主として選ばれてしまう、というお話です。

 

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ここからは2巻の感想です。

 

2巻では、『一寸法師』に関する話がメインで描かれました。

ただし、この『一寸法師』は、現在の一般的に知られている『一寸法師』ではなく、

御伽草子(原作)で語られている『一寸法師』でありまして、

一般的な『一寸法師』しか知らない読者の方は、かなり驚いたのではないでしょうか?

 

【御伽草子の『一寸法師』の特徴】

・一寸法師はいつまでも大きくならなので老夫婦から疎まれてしまい、自分から旅に出た

・一寸法師は、姫を嫁にしたくて、自分が所有していた神前にお供えする米粒を、

 寝ている姫の口に付けて、それを姫が食べてしまったと嘘をついたことで

 姫は実の父から追放されて、一寸法師はその姫に付いていった。

 

はっきり言ってしまうと、『演劇部(あだ名)』が言うように、一寸法師は『最低の男』です。

その『最低な男』に騙された『姫』に同情し、さらにその『最低な男』に負けることとなってしまった『鬼』が、

現代の世界に現れたことで、この話がスタートします。

 

この作品に出てくる『一寸法師』は非常に生意気な性格の持ち主ですが、

上記で描かれている自分の行動に対して、悔いている一面を持ち合わせているので、

主人公・『岩崎月光』や『鉢かづき姫』に見捨てられることなく、

彼らの力を借りて、この困難な状況を打破するために、行動します。

 

この話がどのような結末になるのかは、本編を読んでいただくとして、

なかなか興味深く、面白い内容であったと思います。

 

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【総評】

今巻を読む限り、一般的に知られている話ではなく、

『本当は怖いグリム童話』のように、より原作に近い設定で話を描いていくようですね。

その方が、この作者の作風に合っているように感じますね。

まあ、その方向に話が進んでいけばいくほど、脱落者も増えていきそうですが・・・。

 

点数的には

90点

です。
 

 

では、ここまで。

 

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