匠哉、
「新たなメンバー。ルマンダ・蛯原(ルマンダ・えびはら)。」
両手をルマンダに。
緒方、
「阪部が…。」
そこまで言って、一度顔を伏せるが、顔を上げて、
「眞鍋ちゃんには、申し訳ない。」
その声に睦美、右手を振って、
「いえ…。」
「ある人から紹介で、俺たちと一緒にって。」
ルマンダ、女性にニッコリと。そして、右手を差し出して、
「こんにちは、初めまして、ルマンダ蛯原と言います。」
そして匠哉と佐名木原を見て、
「もしかして…、阪部さんと言う人の…。」
稜平、
「そう。恋人。」
瞬間、ルマンダ、目を真ん丸にして、
「へぇ~~~~。わ~~お。奇麗な人~~。」
その声にメンバーたち全員笑顔で、
「ははははは。」
ルマンダ、
「阪部さんの事は聞いているんです。演奏もビデオで見て、凄い人って。」
そしてルマンダ、
「そっか~~~。阪部さんの~~。」
緒方、
「眞鍋睦美さん。」
ルマンダ、
「まなべ、むつみさん。」
稜平、
「元、ピアニスト。」
その声にまたまたルマンダ、
「わ~~お。凄~~い。緒方~~。」
緒方、そんなルマンダを見て、
「はははははは。」
睦美、畏まりながらもメンバーたちを見て…。少し目を潤ませながらも、
「みんな…。元気そうで…。」
稜平、そんな睦美を見て、
「ははははは。泣くなよ眞鍋ちゃん。」
緒方も、
「はははは。…時間は…???…あるなら、部屋で少し。」
バッグからハンカチを。そして鼻の下に、睦美。そして顔を左右に、
「あ、うん。…ありがと。…でも、今、人を待たせてるから。」
佐名木原、
「おっと~~~。」
何かしら両眉を上下に。
稜平、
「まっ。眞鍋ちゃん、奇麗だから~~。阪部がいなくとも…、充分に。」
そんな稜平に緒方、
「おぃおぃ。まだ、あれから1年だぞ。」
睦美、
「あん。それは…。もぅ…。今、弟と弟のお嫁さん、待たせてるの。」
匠哉、
「おっと~~~。そっち…???」
「それと…、もうひとり…。」
佐名木原、
「もうひとり…。」
睦美、
「あん。このコンサートを知らせてくれてチケットと予約してくれた人。大のサックスファンなの。」
瞬間、ルマンダ、
「わ~~お。嬉しい~~。」
そして眞鍋にいきなり抱き付く。
いきなり目をパチクリの睦美。
緒方、
「かかかかか。ルマンダはとにかく体で表現するから。」
他の3人も腕組みしながらニコニコと。
ルマンダ、眞鍋から離れて、
「その人って、男性でしょ。」
睦美、思わず、
「えぇ。」
そしてニッコリと、
「弟が、友達になってくださいって。…それから弟と弟の嫁と一緒に付き合わせてもらってるんだけどね。」
緒方、
「へぇ~~~。」
そしてニッコリと。
「んじゃ、大切にしなきゃ。」
その声に睦美、
「えっ…???」
稜平と佐名木原、
「だ~~ねぇ~~。日本人でしょ、その人。」
目をパチクリと睦美、
「えぇ。」
匠哉、
「なら、尚更じゃん。」
瞬間、睦美。
「えっ…???…いや…。なら、尚更って…???」
匠哉、睦美を見ながら、
「いや。だって眞鍋ちゃん、俺と同い年じゃん。」
「そうだけど…。」
ルマンダ、
「あ、は~~ん。な~~るほどね~~。」
そしてルマンダ、
「うんうんうん。大事にしてあげて~~。ふふふふ。」
佐名木原、
「ルマンダはアメリカにフィアンセがいるんだ。来年の春には結婚。」
睦美、目を真ん丸に、
「あら~~。」
稜平、
「そうなると、メンバー全員が所帯持ち。…つまりは、既婚者って事に。」
匠哉、
「だから~~~、眞鍋ちゃんも~~。」
睦美、匠哉を見て、
「うそ。匠哉君、結婚…???」
メンバーたち、ひとりひとりを見て。
メンバーたち、それぞれが頷く。
緒方、
「阪部が亡くなってから半年後にな。逆に、結婚、延期にしようって考えもあったんだけど、そんな事したら阪部に怒られるって思ってな。俺たち、メンバーの事、大切にしてたあいつだったから。ある意味、ムードメーカーな。」
稜平、
「だから~~。匠哉と同い年。眞鍋ちゃん、奇麗なんだから~~。折角知り合えた人、大切にしな…。」
誓、睦美を見て、
「あ、来た来た。」
耀司、晄史も顔を…。
「はは。」
3人共に、階段の傍で。
睦美、3人に、
「待たせてごめ~~ん。」
そして高井戸の傍に。
「高井戸さん、申し訳ありませんでした。」
高井戸にペコリと。
その時、数名の人が階段に。
「きゃ――――――っ!!!」
瞬間、睦美、左肩がぶつかり倒れそうに。
一瞬だった。
睦美が高井戸の左肩に掛けていたショルダーベルトを右手で。
けれども睦美が倒れそうに、その勢いにふいを突かれた耀司もそのまま引っ張られて、
ふたり諸共階段を。
目を疑った晄史と誓、
「うそっ!!!」
耀司と睦美、ふたり共に階段から。
気付いたら、階段の踊り場で…。睦美が下に。耀司は睦美の上に。
晄史、
「姉さんっ!!!」
誓も、
「お義姉さんっ!!!」
階段を降りた数人が、後ろを見て、
「えっ!!!」
その場に晄史、
「姉さんっ。高井戸さんっ。」
数人が階段の踊り場に。
「大丈夫ですかっ???」
1階のロビーのその状況に騒然。
「何…???」
「何々…???」
ママでいい…。 vol,108. 少し目を潤ませながらも、「みんな…。元気そうで…。」
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