瑛子、思いっきり、小野瀬の右肩に手を。
そして体を密着させるように、スマホの画像を…。
「うんうんうん。これこれ。」
優維香も、
「だよね~~~。正に、これ。」
小埜瀬、悠里にも。
悠里、
「うんうんうん。間違いない。これ。」
そして、
「あ~~~ん。何よこれ~~~。」
顔を思わずグンニャリとさせての悠里。
小野瀬、そんな3人に、顔を右に、右斜め上に、そして左を。
「な…、何が…。どぅ…???」
瑛子も、
「あん。もぅ~~。」
顔を下に。そして髪が前にバサリと。そして、掻き上げて。
優維香、
「実は~~。」
小埜瀬、
「えぇ~~。」
「この3Dの画像~~???」
小埜瀬、優維香を見て、
「えぇ。」
「実際、現存、するんです。」
瞬間、小野瀬、
「はっ…???…うそ。…いやいやいや。そんなはずは…。」
悠里、
「ほんと。実際に現存。そして販売されてる。…しかも、販売されて、すぐさまソールアウト。」
小埜瀬、疑わしそうな顔で、
「いやいやいや。そんな…。まさか…。」
顔を左右に振りながら。
今度は瑛子、
「その…、まさかが…。現実~~。」
またまた小埜瀬、
「え~~~???」
瑛子、
「なんだよ~~~。」
そして、今度は優維香の後ろを回って自分の席に。椅子に座って、
「そういう事か~~。」
優維香、小埜瀬に、
「つまり~~。」
小埜瀬、優維香に顔を。
「えぇ~~。」
「インテリアコレクションの1週間前。」
小埜瀬、優維香を見て、
「はい。」
メニューを食べながら優維香。
「ようやく私たちの出品も完成に近づいて~~。」
悠里もメニューをパクっと。
「うんうん。」
瑛子、
「もぅ~~。焼け食いだわ。」
優維香、小野瀬のスマホの画像を見ながら、
「私たちもようやく…って時に。…ある、インテリア雑誌の…、それこそ人気雑誌。」
小埜瀬、また、
「はい。」
「その雑誌に、この画像が…、載っちゃってるんですよね~~。現存して。」
小埜瀬、また、
「え~~~ぇえ~???」
「しかも…。それが、リリースされたるやソールアウト。完売。」
「なんと。」
「でぇ~~。その画像のインテリアの製造、販売が…、トータルインテリアの~~。伊玖伊那。梶社長~~~。」
小埜瀬、その話を聞きながら、訝し気に顔を傾げて、目をパチクリとさせて、
「伊玖伊那の…梶社長…。」
考えている風に…。
優維香と悠里、そして瑛子はメニューを食べている。
そして、3人3様に何やらブツブツと…。
優維香、
「なんで~~。」
悠里、
「どういう事…。」
瑛子は、
「…ったくもぅ~~。」
数秒の沈黙の後に小埜瀬、
「あっ、そっか。思い出した。いえね。」
優維香、悠里、そして瑛子、そんな小埜瀬に、
「うん…???」
優維香、
「あ、はい。」
「いつだった…???…まっ。でも…、あれは…、どこだっけ…???」
また顔を傾げて、
「まっ。覚えてないや。とにかく。あるコレクションに私も出品したんです。」
優維香、
「えぇ。」
悠里、
「はい。」
瑛子、
「うんうん。」
「確か、その時に、私のコレクションを大変気に入ってくれた日本人がいらしたんですよ。ヨーロッパを研修しているとの事で…。しかも、その人とのスケジュールが僕と殆ど同じで…。」
優維香と悠里、
「へぇ~~。」
小埜瀬、
「…で、私も別に、何の気なしに、その方と連絡取り合うようになったんです。確か…、2週間程度…。」
瑛子、
「なんか、凄い偶然。」
小埜瀬、瑛子を見て、
「えぇ。そうなんです。今迄一度も会った事がない人なんですけど…。その方との2週間の予定が僕とほぼ一致。」
優維香、
「そういう事も、あるんだ。」
悠里、
「…で…???」
小埜瀬、今度は悠里に、
「初めからインテリアの話で意気投合しました。凄い熱心な方で…。私もそういう人材、探してますよ~~、の、ような事、仰ってらして…。…で、確かに、その人に3Dの、これ…。差し上げましたね~~。別のを含めて3枚ほど…。」
優維香、
「そうだったんだ~~。」
優維香を見て小埜瀬、コクリと、
「えぇ。…で。…もしかしたら…、その方と~~。」
悠里、
「うんうんうん。」
小埜瀬、今度は悠里を見て、
「多分…。伊玖伊那の梶社長とは、何等かで…、繋がっているのでは…。と。」
悠里、目を真ん丸に、
「いっ…???…伊玖伊那の梶社長と…???」
「…って言うか~~。」
いきなり優維香。目をキョロキョロと。そして、今度は口をギッシリと噤んで、
「つまりは~~。」
瑛子、そんな優維香を見て、
「うんうんうん。」
優維香、
「私たち、このインテリア~~。伊玖伊那のデザインだとば~~っかり、思ってたって事~~。…でも、元を正せば~~。リーダーのデザイン~~。」
そして、思わず笑顔で、
「伊玖伊那のデザインじゃ、ないんじゃ~~ん。つまりは、盗作~~。」
優維香、目を真ん丸に、顔を傾げて。
「なんじゃない…???」
そんな優維香を見て小埜瀬、頷くように、
「その通り。」
好きになれない。 vol,132. 「実際、現存、するんです。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。