「どうぞ、お好きなようにと。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.181.

ドキドキ 悠里も瑛子も、その優維香の話に、こちらも目をパチクリとさせて、
「あっ。そっか~~。うんうんうん。」
「確かに。…盗作になっちゃう~~。」

小埜瀬、腕組みして、すぐに左人差し指を口に、
「但し。」

その小埜瀬の、「但し。」と言う言葉に優維香も悠里も、瑛子も、
「うん…???」

小埜瀬、思い出したように、
「但し。表現としては、確かに、人のデザインを使用した訳ですから、盗作。に、なるんですけど~~。」

優維香も悠里も、瑛子、
「うんうんうん。」

「でも…。あの時。その…、日本人の方に、その画像を差し上げた時に、その方、ありがたく頂きます。と、仰ってくれて…。」

優維香、悠里、
「えぇ。」

「その時、こんな事仰ってまして…。」

いきなり瑛子、小野瀬に、身を乗り出して、
「何々…???」

「その方、もしかしたら、このあなたの作品、私が、何かに使わせて頂いても…。その時、僕、こんな風に言ったんですよね。」

優維香、悠里、小野瀬を見て、
「うん。」

小埜瀬、優維香と悠里をチラリと見て、
「構いません。私の元を離れた訳ですから。どうぞ、お好きなようにと。」

いきなり3人、声を揃えて、
「え―――――――っ!!!」

またその声が周りのテーブルにも…。
いきなり3人。体を縮こまらせて。

瑛子、
「…と、言う事は…。その…、日本人、何かの伝手で、この画像…、伊玖伊那の梶社長に…。」

いきなり優維香、
「あ~~~ん~~。」
顔をガクリとさせて…。

悠里も、同じように、
「そういう事~~???」

小埜瀬、
「そうなりますか…。」


そして…。また…数秒の沈黙。


優維香、口を閉じて尖らせて…。
悠里はメニューをパクパクと。
瑛子も同じように。
小野瀬、ビールを一口。そしてポテトチップスをパクリと。

「でもさ。」
いきなり優維香。

悠里、
「うん…???」

「これでひとつ。」

小埜瀬、
「はい…???」

優維香、まだ画像を見ながら、
「ある意味、ホッとした~~。」

瑛子、優維香を見て、
「ん~~~???」

悠里、
「ホッとした~~???」

悠里、今度は唐揚げをパクリ。
「…ん…???…かか。」
3人を見てニッコリと、
「お~~いしぃ~~~。」

小埜瀬、そんな悠里にニッコリ。

優維香、小野瀬のスマホを持って、
「これが~~、伊玖伊那のデザインじゃない。それだけでも、御の字だよ~~。」

小埜瀬、そんな優維香を見て、思わず、
「おほ。」

「まっ。確かに。」
優維香、画像を見ながら、
「あの時…。それこそ部長なんか物凄い剣幕で。」

瞬間、悠里も瑛子も、目を真ん丸に、
「うんうん。そぅそぅ~~。」

「どうなってるんだ。1週間だぞっ。コレクションまで。伊玖伊那のこれ~~。俺たちのより。怒り心頭で、入ってきたもんね~~。」

瑛子、
「うんうんうん。そぅそぅそぅ。」

瑛子、
「私たち、かなり、あんときは~~。もぅだめ。って…。」

小埜瀬、目を真ん丸に、
「うそ。そんなに…???」

瑛子、
「いや。完璧に頭をぶち抜かれた。そんな感じ~~。どうする事も、出来なかった~~。人気雑誌に掲載。…で、発売からすぐさま、ソールアウト。完売。ライバル社が、コレクション1週間前に、そういうのあり…???…って。有り得ないでしょ。打つ手なし~~。」

悠里、顔をガックリとさせて、
「ねぇ~~ぇえ~~。…部長なんて、完璧に。興奮状態。みんな、何も言えなくって~~。それに…。」
目を閉じて、顔をぐしゃりとさせて、
「そこに来て、社長も…。」

小埜瀬、目をパチクリと。
「社、社長も…???」

優維香、まだ画像を見て、
「うんうんうん。社長も、見てたんだ。その雑誌。そして伊玖伊那のデザイン。」
小埜瀬を見て、
「私たち、完璧に押し潰されてたから、励ましに来てくれたの。…逆に、敵さん天晴。褒めて上げな。その方が気分がスッキリする。…けど、あんたらは、こんな事でめげるような人たちじゃあ~~ない。私は信じてるからね。気合を入れてくれた。」

瑛子、思い出したように、
「かかかか。うんうん。」
そして両腕を広げて、
「こ~~んな風に、ひとりひとりをハグ。」

小埜瀬、口をヒョットコのように、
「へぇ~~~。」

悠里、
「ガッシリと抱き締めてくれたもんね~~。しかも…。社長の凄いとこって、社員の名前、全~~部、覚えてるから~~。ひとりひとりに、悠里、ほれ。両肩をポンポンと叩いて、ハグして。」

小埜瀬、目を真ん丸に、
「な~~~んと~~。凄いや。はははは。」

「あれで…。ん~~。何とか…。はは。面白いエピソードなんかも…。」
「面白いエピソード…???」

優維香、顔を傾げて、
「…って言うか…、あれは…、多分…、作り話か…。何か…???…野球とバスケが出て来た。」

「野球とバスケ…???」
小埜瀬、優維香を見て。

優維香、
「うん。どれも、一番最後の方の土壇場の逆転劇。」

小埜瀬、頷きながら、
「へぇ~~~。」








好きになれない。   vol,133.  「どうぞ、お好きなようにと。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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