「はい。私の旦那様。…既に、過去形です。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.201

ドキドキ 菜帆子、
「あ~~~。うん。…実は…。」

愛結美も菜帆子と佐津香を見て、
「あ、うん。」

順平、
「……。」

小埜瀬、目をパチクリとさせて、
「えっ…???」

佐津香、
「あん。…これはもぅ~~。うん。」
菜帆子と愛結美を見て…。

菜帆子と愛結美も、コクリと、
「うん。」

菜帆子、
「課長のも…。聞いちゃったから…。」

佐津香、
「だね~~。」
そして佐津香、小埜瀬に、
「はい。私の旦那様。…既に、過去形です。私の旦那様も…、もぅ~~。昔の事なんですけど…。はい。亡くなってます。」

いきなりの声に小埜瀬、目を丸く、
「えっ…???…えぇ…???」
愛結美と菜帆子をも見て。

愛結美、菜帆子、ゆっくりと目を閉じて、
「うん。」
「そっ。」

佐津香、
「部署の…。もぅ~~。殆どの人、知ってるかな~~。吉竹も…。」
顔を傾げて、
「人の噂で…。まっ。それこそ、奈菜さんから聞いて、知ってるかも知れない。けど…。…娘が…、それこそ、小さい頃に…。亡くなってるの。ウェルナー症候群と言う病気で…。」

「ウェルナー症候群。」
僅かに順平を見て。

順平、
「あっ。僕もこの前、知りました。菜帆子さんから聞いて。」

佐津香、菜帆子に、
「あっ。そっか。順平、知らなかったか…。…で、菜帆子が…。」

菜帆子、
「あっ。うん。…それこそ、あの…、歓迎会の…、課長、家に届けた。…って、届けたって言うのも変だけど…。順平からライン来てね。…で…。」

佐津香、
「ふ~~ん。そうなんだ。」

小埜瀬、
「…って…???…その、ウェルナー症候群…???」

キッパリと佐津香、
「早老症です。」

「そうろう…。」

菜帆子、
「早く老いる。…つまりは、若いんだけど~~。早く年老いちゃうって言う病気。」

眉間に皺を寄せての小埜瀬、
「…ん…???…そんな病気…。」

菜帆子、チョコンと頷き、
「あるんです。難病のひとつ。」

「難病…。」

「若い時から白髪や抜け毛。普通の人より、早く年を取った状態になる。」
菜帆子。
「私は、佐津香さんの旦那様。実際にはお会いしてないんですけど…。写真見てびっくり。確かに、老人。…ではあるんですけど…。凄い、かっこいい人。…って言うか~~。渋い俳優さんばり。」

小埜瀬、
「へぇ~~ぇえ~~。」


そろそろ隣の部署には他のメンバーたちが…。

愛結美、腕時計を見て、
「あっと。もぅこんな時間。」

佐津香、残りのおかずをまとめて小埜瀬と順平に。
「はい。最後最後~~。」

いきなり小埜瀬と順平、
「おっと。」

急いで残りを口の中に。そして小埜瀬、食べながら、両手を合わせて、
「ごちそうさまでした。」

順平同じく両手を、
「お、おちほう…。」

愛結美と菜帆子、
「ふふふふ。」

佐津香、
「お重は、洗って、後で、課長に、お届け。みんなには知られないように。」

口の中でまだもぐもぐの小埜瀬、また両手を合わせて、
「お願いします。」
2度頷いて。

また愛結美と菜帆子、
「くくくく。」



午後からの仕事が始まった。そして…、夕方前には、また、コンペの会議。






「へっ…???…新しい課長さん、分かっちゃったんだ~~。おかあさんたちが家に運んだ事~~。」
夕食の準備をしている母に優維香。

佐津香、
「う~~ん、いきなり休憩室に来て、ありがとうございましたって、言われてね~~。」

「へぇ~~ぇえ~~。」
「まっ。でも…。…これで、良かったのかも、知れない。」

その声に優維香、
「うん~~~???」

「…って言うか、いつまで経っても、全く個人的に話もしない上司って言うのも、変じゃない。」
口をグンニャリとさせて。

テーブルを布巾で拭きながらの優維香、
「まぁ~~ねぇ~~。」

「ふん。…で、まぁ~~。なんとも…、驚く事に、課長の奥さん。」

優維香、母を見て、
「ふん…。」

「昔…、甲状腺癌で、亡くなったんですって。」
「へぇ~~~。…って、凄い病気。…って言うか、凄い癌。強烈~~。」

「うんうんうん。…でもって…。…結局、ウチの旦那の事も、話しちゃった。」

いきなり優維香、
「へっ…???…うそ。」

「だ~~って~~。彼の奥様の事、私たちから聞いて~~。私の方も…、言わなきゃ、フェアじゃないでしょ。」

「まっ。それは…、そうだけど~~。」
口を尖らせての優維香。そして、口を捻じ曲げて、空を見て…。そして頷いて、
「まっ。それも、そうねぇ~~。」

「ふん。…で、彼も大学時代には、なんと。」
「うん…???」

「大学で、ラグビーやってたんだって。」
「おっと~~。凄~~い。…じゃ、ガタイは良いんだ。デェ~~ンと。」

佐津香、フライパンで炒めながら、
「うん。」

「おとうさんも、野球、やってたしね~~。…へぇ~~。そっか~~。ラグビーかぁ~~。…って言うかぁ~~。おかあさ~~ん。」
「ん~~???ほぃできた~~。」

「コンペの方~~。」

その声に、
「ふ~~ん~~。結構~シビア。」








好きになれない。   vol,114.  「はい。私の旦那様。…既に、過去形です。」

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