佐津香も菜帆子も順平も、辺りを見て…。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.305.

ドキドキ 運転手、
「あと、5分くらいっすよ。」

佐津香、運転手に、
「ありがとう~~。」
そして、スマホに、
「じゃ、一旦、切るね。」

吉竹、スマホに、
「申し訳ない。俺が傍にいなくて…。」

その声に佐津香、
「まっ。しょうがないよ~~。まっ。確かに、吉竹も小埜瀬さんと同じくらいに、ガタイはいいから。それに、部長だし。先にあんたに電話したんだ…、けど~~。」
最後はアヒルのような口で佐津香。

スマホから吉竹の声、
「面目ない。では…。」

「はい。」

そして、プツリと切れる。

菜帆子、
「や~~っぱり、歌ってたか~~。かかかか、耀の声、聞こえたからね~~。」

佐津香も、
「た~~んまりと、部長に奢ってもらってくださ~~い。…って、言うか、奢らない吉竹じゃないけどね~~。」
口をへの字にしての佐津香。運転手、
「この信号を右です。」



吉竹、スマホをポケットに。
「えぃえぃえぃえぃ。何てこった~~あの小埜瀬さんが~~。」
ドアを開け…。いきなりドアが自然に、そして、ドアの端が吉竹の頭にゴン。
「あ痛て。」

中から出てきたのが、圭衣子。
「わお。部長~~。」
そして、両目をぐるりと、
「トイレ。長~~~。あっ、頭…。」
そこまで言って圭衣子、思わず苦笑い、
「ごめんなさ~~い。」

吉竹、そんな圭衣子に、右目を歪めて、
「痛った~~。」
けれども、
「ははは。うんうんうん。いや。うん。いい。大丈夫。トイレか。おぅ。行っといで。」

圭衣子、再び謝り、
「すいませ~~ん。」
チョコンと。

そして吉竹、
「やれやれ。」
小さく。

部屋では龍二が歌っている。





運転手、後ろを向いて、
「ここに…、なります、ねぇ~~。」

佐津香も菜帆子も順平も、辺りを見て…。

佐津香、運転手に、
「ありがとうございます。」
そしてバッグから財布を…。運転手に千円札数枚を。

運転手、そのお金を、
「…いや…。ここまでで、こんな…。」

佐津香、顔を僅かに傾げて、ニッコリと、
「いいえ。受け取ってください。時間…掛けちゃいましたから。」

「すんません。じゃ、お言葉に甘えて。」

佐津香、菜帆子に順平に、
「さてと。」

菜帆子、
「オッケィ~~。」

順平も、
「さてと。」
ドアを開けて。順平、
「当然こっちから。」

佐津香、
「うん。だよね~~。」

小埜瀬、既に熟睡しているのか、完璧の…、自然体。

菜帆子ドアを開けて、すぐに右側に。
佐津香、小埜瀬の下半身を懸命に押す。

順平も腰を曲げて右腕を首に回して、
「おっし。」

菜帆子は小埜瀬の脚を揃えて両膝に右腕を、
「これで…。どうだっ。と~~、動いた~~。」

佐津香、
「ちょっと待ってね~~。」
すぐさま小埜瀬の左側に。
小埜瀬の左腕を首に回して…。

…すると。
「お客さん。すんませんね~~。」
運転手が…。佐津香の首にダラリとした右腕を外し、
「ほらさ。」

佐津香、思わず小埜瀬から離れる。
「え~~~~???…運転手さ~~ん。」

運転手、
「かかかかか。別嬪さんに、こんなこたぁ~~、させられませんよ。」
自分の首に右腕を。

思わず佐津香、目が潤んで。そして一礼をして、
「ありがとうございます。」

同じように菜帆子も目を潤ます。
「さっすが~~。」
そして、僅かに鼻を啜る。
「うん。ありがと。へへ。」

運転手、
「はいな。」

順平、ニッコリと、そして頭をコクリと。
「あざっす。」

菜帆子は右脚。そして佐津香は左脚。

順平、
「玄関は~~。おっと。こっち。」

そして…。アプローチを…。

玄関まで。

「と~~。」
佐津香。
「当然…。鍵…。」

菜帆子、順平、そして運転手、同時に、
「小埜瀬さん、すみません。」
「ちょっと、すんませんよ~~。」
小埜瀬の体のあちこちを…。

佐津香は、
「ごめん、一旦離れる。」

菜帆子たちもそんな佐津香に頭をコクリと。

そのまま佐津香は玄関の周辺を…。そして…、ポストの中、そして裏側、
そして玄関の屋外マットの下に手を入れて…そして今度は玄関の横のプランター、
そのアスファルトとの隙間に手を差し込み…。

すると…。思わずニッコリ。
「ふふふふふ。ビンゴ。」
から。
「置かぬ棚をも探せ。…ってねぇ~~~。昔の人は良く言ったもんだ。」
振り向き、
「鍵、見つけた。」

瞬間、菜帆子、順平、運転手、ニッコリと、
「お~~~。」

佐津香、
「ちょっと待ってね~~。今、玄関、開ける。」

菜帆子、
「うん。」

順平、
「はいな。」

運転手、
「お願いします。」

無事、玄関が開いて、菜帆子、
「ふ~~。」

順平も、
「お~~~。ははははは。」
運転手を見て。

運転手もニッコリと。そして顔をコクリと。

スマホのライトで、
「電気電気。あっと、これ。」
灯りが点く。

菜帆子、
「良かった~~~。」

そして、4人でフロアに。小埜瀬、全く動かない。それどころか、
「~~~い。…か…で~~。」
口をムニャムニャと。

菜帆子、瞬間、佐津香に顔を、
「何、今の…???」
そしてクスリと笑って、
「もしかして…、寝言…???」

そんな菜帆子に佐津香もニッコリと、右目を歪めて顔を傾げる。









好きになれない。   vol,090.  佐津香も菜帆子も順平も、辺りを見て…。

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