「吉竹~~。小埜瀬さんの住所、分かる~~???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.239.

ドキドキ 吉竹、その声に、スマホを耳に、
「はっ…???…えっ…???…うそ。」

佐津香、
「嘘も何も。」

順平、
「部長だ。」

佐津香、順平に、眉を上下に。

菜帆子も、
「おっと。」

愛結美はドアの外で、
「……。」

佐津香、
「ねぇ~~、吉竹~~。小埜瀬さんの住所、分かる~~???…あんただったら…。」

この声に吉竹、
「あ、いや~~。」
頭を撫でながら…、そして…、目をパチクリと…。
「確か…。近くに、東京タワーがバッチリって…。」

佐津香、
「東京タワー。芝公園。」

順平、
「ナイス。近っ。」

「あ~~。はい。そんな事を…。」

佐津香、
「ちょっと待って。」
左頬と左肩でスマホを押さえながら。

順平、
「あ、いいっすよ。スマホ、持ってます。」

佐津香、順平にニッコリと、
「ありがと。」
そして、また小埜瀬の財布を…。
「小埜瀬さん。本当~~にごめん。」
あれこれと…。…すると…、
「あった。」
一枚の名刺を…。
「リアルエステート・アクロス。江西美沙。(えにしみさ)。」

順平、
「リアルエステート…。不動産…???」

菜帆子も、
「あん。な~~るほど。」

佐津香、順平の右手から自分のスマホを、順平に、
「ありがと。」

順平、コクリと。

佐津香、スマホに、
「ごめん、一旦切るよ。」
プツリと。

吉竹、ドアの外で…、スマホを耳に…、
「えっ…???あ、あの~~。」
スマホを耳から外して、
「切れちゃったよ。…ったくぅ~~。」
そして…、一旦、ドアを僅かに開けるが…。室内から聞こえる歌声。
吉竹、再びまたドアを閉めて、
「…ん…???…ちょっと待てよ。」
そして、今度は佐津香のアイコンをトン。


佐津香、すぐさま、その名刺の電話番号に。

…すると、
「はい。もしもし。江西ですが……、どなた…???」

佐津香、スマホに、
「夜分遅くに失礼致します。大変申し訳ありません。」

スマホから、
「あ、はぁ~~。」

「不躾で大変申し訳ないんですけど…。ひとつだけ、お聞きしたいことがありまして、お電話させて頂きました。」

スマホから聞こえてくる声、また、
「あ、はぁ~~。」

「私、そちらの、リアルエステート・アクロスにお世話になった、小埜瀬隆英さんの勤務している会社の者なんですけど…。…実は…。」

その声に江西と言う女性、
「あ~~、はい~~。こちらこそ、お世話になってます~~。小埜瀬さんの…。はいはい。」


状況は致し方なし。今の状況を伝える佐津香。

そして…。
「運転手さん、ごめんなさい。メモして。」

運転手、
「あいよ。」

佐津香、スマホに、
「お願いします。」
そして佐津香、
「はい。…芝公園…。…の、…の……。…はい。ありがとうございます。」

そして、
「運転手さん、分かった…???」

運転手、
「あいよ。」

そして、佐津香、大勢を直して、
「もぅ~~。こぅなったら。順平、お願い。」

順平、
「あいよ。」

菜帆子も、佐津香の隣で、
「そぅ~なっちゃうよね~~。」
こちらも大勢を整えて。

そして菜帆子、愛結美に、
「愛結美さ~~ん、私ら、ちょっくら、行ってくるわ。」

愛結美、ドアを開いたままで、菜帆子と佐津香を見て、
「えぇ~~~え…???…だ…。」

菜帆子、ニッコリと。
「大~~ぃ丈夫~~。順平もいるし。ふふ、佐津香さんもいる。うん。任せて。」

愛結美、その声を聞きながらに…。けれども、
「でも~~。」

そして今度は佐津香、
「愛結美~~。部長に電話しておいて。これから小埜瀬さんの家に言って、小埜瀬さん、家まで届けるって。…こんな状態だもん。ね。お願い。」
そして佐津香、
「はは。頼りになる順平もいるし。」
順平を見てニッコリと。

順平、
「おし。」

佐津香、左に振り向いて、
「ほんと。大丈夫。それに、残念ながら、愛結美、定員オーバで乗れないし。」

菜帆子、その声に苦笑いして…。

愛結美、口を尖らせながら、申し訳ないようにふたりに、
「そぅお~~~。ん~~。…じゃ、ごめんね~~。分かった。部長には私から。」

菜帆子と佐津香、頷いて、
「うん。分かった。お願い。じゃ。」
そして、
「運転手さん、お願い。」

運転手、
「あいよ。」

ドアが閉まる。そしてタクシーは動き出す。

愛結美、顔を傾げて、両手は両脇に、
「あ~~ぁあ~~。行っちゃった~~。…それにしても…。」
今度は形相を変えて、
「マジ…???…小埜瀬課長…。どぅなってんの~~???」



タクシーの中…。佐津香のスマホに電子音の着メロ。
バッグからスマホを出して…。すると…、
「はは。やっぱり。」

菜帆子に画面を…。
そして順平にも…、

菜帆子、
「まっ。ねぇ~~。」

順平、
「右に同じ。」

「もしもし、佐津香です。」

スマホから、
「吉竹です。全然繋がんなくって。」

「当然です。今迄、不動の担当者と電話してた。」

吉竹、いきなり眉間に皺を。
「不動産屋…???担当者…???」

佐津香、スマホを今度はスピーカーにして左手で持って、
「当然。場所分かんなんだもん。小埜瀬さん、こっち、東京来てから凡そ1ヶ月。住む家だって、探してるでしょう~~。免許証は、まだ住所変更してなかったし~~。」








好きになれない。   vol,088.  「吉竹~~。小埜瀬さんの住所、分かる~~???」

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