佐津香、「どうもこうも…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.239.

ドキドキ  「ちょっ…。この…。」
菜帆子。

愛結美も、
「どうする~~???」

佐津香、
「どうもこうも…。」

佐津香、小埜瀬の両の脇の下に両手を、
「ヨッ。小埜瀬…さん。」

愛結美も、小埜瀬の右肩を…、
「ヨッ。」

けれども佐津香、
「ひゃ~~~。ダメ。全然。…龍二みたいに、小柄ならなんとか…。けど…、この人、ガタイあるから…。ん~~。無理。」

菜帆子も佐津香とバトンタッチ。

けれども…。口を真一文字に。そして、眉間に皺を寄せて、顔を左右に。そして、
「ふ~~~。無理だね。しかも…自然体ときてるし。」

佐津香、スマホで…。

…けれども、全く出る気配のない、発信音だけ。
「んもぅ~~。吉竹~~。こういう時に~~。」
菜帆子と愛結美に顔を振って。

菜帆子、
「多分…歌ってるね~~。」

佐津香、
「…ったく~~。」
そして今度は…。別のアイコンを…。そして…。

相手が…、出た。
「もしもし…???…佐津香さん…???…どう…。」
順平である。

佐津香、
「あ、順平、ちょっとお願い。」

「はっ…???」






10分後に…。遠くから走ってくる男性ひとり。
「はっ。はっ~~。何~~???…なんでまた、課長~~???」

佐津香も菜帆子も愛結美も、順平の顔を見て安堵の顔。

「た~~すかった~~。」
佐津香、順平に顔の前で両手を合わせて、
「本っ…当~~にゴメン。デートだったんじゃな~~い~~???」

その声に菜帆子も愛結美も苦笑い。
そして、ふたりも同時に顔の前で両手を合わせる。

順平、
「あ、いや…。連絡は入れたから。分かった、気を付けてって、言ってくれたから。」

瞬間、愛結美と菜帆子、にっこりとして、
「さっすが~~。話の分かる彼女~~。…と。」

スマホに着電。佐津香、順平に、
「うんうん。出て上げて~~。申し訳ないから~~。」

順平、
「あ、すんません。いいっすか…???」

愛結美に菜帆子、コクリと、
「うんうん。モチロン。」

順平、画面をスワイプして、
「あ、俺。今、着いた。」
そして、
「ダメだね。完璧に寝ちゃってる。…あ…、…うん。まっ、何とか…。…何かあったら連絡する。…大丈夫、会社の人たちと一緒だから。じゃ。」
通話を切る。

順平、
「さて…と。…とにかく、タクシー拾って…。」

佐津香、
「動かせる~~???」

「…って言うか…。俺一人じゃ、なんとも…。」

「うん。私も、手伝うから…。」
3人に佐津香。
「とりあえず…、通り道。邪魔のならないよう…。」

3人掛かりで小埜瀬を歩道の端に。

愛結美、
「あ、タクシー。」

佐津香、
「あん。お願い。」

すぐさま、1分ほどで…。タクシーが止まる。愛結美、
「すみませ~~ん、少し、お時間いただけますか~~???」

運転手、後ろを向いて、
「いいですよ~~。」

順平、右腕を自分の首に。佐津香と菜帆子も小埜瀬の右の方に。
…そして…、ようやくタクシーの中に。

佐津香、運転手に、
「ごめんなさいね。この人、完璧に…。」

運転手、ニコニコ、
「かかかかか。まま、良くある事です。…で…???…どちらまで…。」

順平、自分から先に乗って、佐津香と菜帆子、小埜瀬をずるずるとシートに…。

佐津香、小埜瀬に、
「小埜瀬さん。」
顔の前で、両手を合わせて、
「ごめんなさい。」
小埜瀬のジャケットの内ポケットに手を。
「あった。」

財布から身分が分かる。「免許証。」

そして、運転手に、
「はい、これ。ここまで…。」

運転手、免許証を見て、
「あいよ。」
けれども、
「はっ…???…仙台。…ここから…???」

瞬間、佐津香、
「えっ…???」

順平、
「うそ。マジ…???」

菜帆子も、
「そんな~~。」

愛結美、ドアの外から、
「どうしたの~~???」

佐津香、

「家…、分かんな~~い。」

瞬間、愛結美、
「え゛~~ぇえ~~~???」

順平、佐津香に、
「どうする~~~???…このまま…じゃ。」

佐津香、運転手に、
「ごめんね~~、お兄さん、もぅ少し、時間~~。」

運転手、ニッコリ、
「へへへ。構いませんよ。こんな別嬪さんからお兄さんって言われちゃ、ダメなんて、言えませんよ。けけけけけ。」

瞬間、佐津香も菜帆子も、ニッコリと、
「や~~るぅ~~。」

菜帆子はいきなり運転手に投げキッス。

運転手、思わず赤くなり、
「けけけけけ。参っちゃうね~~。あいよ。どうぞ、どうぞ。」

佐津香も運転手にウィンク。

順平、ヒョットコみたいな顔をして、
「おほほほほほ。」

佐津香、またスマホを取り出して指をトン。
数回のコールでようやく…。

相手が…、
「もしもし。どうしたんすか~~、佐津香さん。びっくりした~~。何か…???」
吉竹である。

佐津香、スマホを耳に、
「もぅ~~。何で出ないのよ~~。何度も電話してんのに~~。」

吉竹、
「はっ…???…何度も…???」

「いいから聞いて。」

「あ、はぁ~~。」
顔を傾げて…。

「小埜瀬さん、小埜瀬課長、潰れて動けないの。まだ、螺旋の近く。今、やっとこさ、タクシーに乗ったとこ。けど…。寝てて…。」








好きになれない。   vol,087.  佐津香、「どうもこうも…。」

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