榊、美耶乃に、「実はですねぇ、美耶乃君。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.130.

ドキドキ そして榊、奏多に、
「では、奏多君。」

奏多、コクリと、
「畏まりました。」
ギャルソンに手を…。

丁寧にお辞儀をするギャルソン。
そして…、料理が運ばれ、食事が始まる。



食事しながら、榊、美耶乃に、
「実はですねぇ、美耶乃君。」
美耶乃を見つめながら、
「これも、美耶乃君には伝えて置いた方が良いかと思いましてねぇ~~。」

美耶乃、榊を見て、
「あ、はい。」



心地良い 軽音楽が流れる中で、食事と会話は続く。





大凡1時間半。ホテルのエントランスの前で車の中の榊に丁寧に挨拶をして、
その場から歩き出す美耶乃。

ひとり呟く。
「あの人が…。小埜瀬隆英。イニシャルはT,O。…今、日本にいる。ある企業に腰を落ち着かせるそうだ。」
そこまで声を出して、顔を傾げて、
「ある企業…。…どこ…???」







「ありがとうございます。」
タクシーでホテルまで送ってもらって隆英。

タクシーの中で麗子、
「まだまだ、スタッフコレクションの煽りは続くとは思うけど、頑張って。…なに、あなたの事だから、全然心配はしてないけど。とにかく。…じゃね。おやすみ。」
タクシーの中で左手を振る麗子。

その後ろで、こちらは右手を振る賀寿江。

隆英、ドアの外で一礼をして右手を振る。
タクシーが動き出す。

隆英、踵を返して、エントランスに。
「さて。軽くもぅ一杯。」
ロビーを歩きながら、
「いやいや。確かに。あれだったら、通うな、絶品料理。…確か、佐紀ちゃん。年齢は…、二十、そこそこ…???…3つ星シェフのお弟子さんってとこか…???」

そこまで独り言を言って…。エレベーターのドアが開く。
隆英、思わずフィンガースナップ。

そして、悔しそうな顔をして、
「しまった。苗字、聞き忘れた。しかも、店のカード。やっちまったかぁ~~~。」
悔しそうな恰好で…。

そんな男性の姿を目の前の、エレベーターから出てくる女性。

隆英、その女性と目が合い、小さく、
「おっ。」

女性、そんな男性を見て一気に、眉間に皺を。
そして胸の前で、バッグを抱き締めるようにその男性を見ながら体は前にそそくさと。
そして、ロビーを駆けて行く。


隆英、エレベーターに乗って、僅かに赤面。右目を閉じて、
「なんか…、変なトコ…見られたか…???」






そして…。当日。
この日は、エレガンザ化粧品、マーケティング事業部、小埜瀬瑛士の歓迎会。

瑛士が配属されて、凡そ1ヶ月が経過していた。
瑛士の引っ越し後の様々な手続き。そして取引先との挨拶、他諸々の事情により、
日程が決まらなかったのである。しかも、不思議な事に、何処から侵入したのかは分からないが、
肝心要の幹事役の曾我野愛結美が、瑛士が赴任して1週間後にインフルエンザに罹患してダウン。
それを切っ掛けに、スタッフの数名にも伝染。歓迎会どころではなかったのである。

インフルエンザで休んでいる愛結美が、有給取得中に抑えた歓迎会の場所、
それが…。食文化「螺旋(らせん)」

ここは以前、大阪支社に異動になった須賀野谷愛衣(すがのやあい)の送別会にも利用したお店で、
団体様歓迎の和洋中、なんでもござれのお店。
スタッフ、凡そ10名。しかも、嬉しいのが、盾橋菜帆子の友人がスーシェフをしているお店でもある。


愛結美が菜帆子に、
「何とか、予約~~。他も当たってはいるんだけど…。…確かに、螺旋って、人気のお店だから、ダメだったら仕方ないけど…。不思議に…、何故かここぞと思ったお店、みんなアウト、予約びっしり。どういう事…???」

と、そんな話に菜帆子が、
「分かった。何とか聞いてみる。」

…で、菜帆子がコンタクト。
…すると…。

電話をして、
「ラッキ~~~。かかか、キャンセル~~。」

菜帆子の友人の東野愛萠里(ひがしのあめり)が電話で、
「うん。丁度20名の予約だったんだけど~。肝心要の主役に不幸話があって、キャンセルになっちゃったんだよね~~。だから、その日の予約なし。ラッキーよ。」

と、言う事で決まり。



菜帆子の声に、愛結美も、
「NICE」

そして菜帆子から愛結美に、スマホから、
「それより早くインフル~~。」

愛結美、
「分~かった、分~かった。本調子まで、あと2日~~。」
「シニアマネージャー不在だと、中々面倒な面、あるんだからね~~。」

その声にこちらもスマホに、
「了~~解」

と、なったのである。

その話に佐津香も、
「OK~~。いいんじゃない、あそこ、とにかく広いから。」

吉竹も、
「分かった~~。いいんじゃないか~~。」

そして、肝心の小埜瀬も、
「いやいや。私は何処ででも…。はい。みなさんの決めた場所なら。喜んでお供します。」

菜帆子、
「ありがとうございます。」



そして、愛結美の復帰から次々に他のメンバーも復帰。

そして…。








好きになれない。   vol,077.  榊、美耶乃に、「実はですねぇ、美耶乃君。」

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