凡そ全メンバーが揃い。その後、3日目には、当日を迎えた。
店に入るメンバーたち、それぞれに、
「懐かしい~~。愛衣さん以来だね~~。」
「うんうん。」
開店時間からの利用で、ホールの担当者、そして、シェフとスーシェフも、
ホールに出てゲストたちに挨拶。束の間の賑わいシーンとなっていた。
菜帆子、愛萠里に、
「ありがとうね。」
そんな菜帆子に愛萠里も、ニッコリと、
「どういたしまして。こちらこそ。結構~~、20名のキャンセルは痛いのよ~~。」
そう言いながらも舌をチロリと。
そして、それぞれが笑顔を振り撒きながら…。
そんな中で…。なんと、ここにも…。柿崎佐津香ファンが…いた。
「佐津香さ~~ん。」
思わず佐津香に抱き付く女性。
佐津香も、
「は~~い、久しぶり~~。」
「待ってた~~~。ははは。ようこそ~~。」
そんな光景を見ていた小埜瀬、
「…ん…???…何…???…凄い盛り上がり。」
龍二、小埜瀬に、
「課長、気になります…???」
そんな龍二に吉竹も、
「何…???…何なんだよ、あれ…???」
龍二、
「話によると、ここのシェフ、オーナーでもあるんですけど、何やら、ちっちゃな娘ちゃんがいるんだそうなんです。」
吉竹も小埜瀬も、
「ふんふん。」
「…でぇ、そんなちっちゃな娘ちゃんも~、佐津香さんの挿絵の大ファンなんだって。」
その話に吉竹、アヒルみたいな口をして、
「へぇ~~ぇえ~~。」
龍二、ニコニコしながら、
「だから~~。その娘ちゃんの好きな挿絵画家の佐津香さんを~~、あのシェフも好きになってファンになったって~話~~。」
吉竹、
「ふ~~ん~~。そうなんだ~~。」
けれども吉竹、龍二は見ずにまっすぐに賑わいの方をみながら、
「…けど…、龍二、おま、良くそんな事、知ってんな~~。」
その声に龍二、ニッコリとして、
「まぁねぇ~~。あ。…でも、名前は~~。」
「押坂美怜(おしざかみれい)シェフ。」
いきなり吉竹の後ろから順平。
「はいこれ。」
と、スマホの画面を吉竹と小埜瀬の前に。
「食文化、螺旋。グルメランキングにもちょくちょく登場しているから、結構有名~~。しかも…、シェフ自身も雑誌のインタビュー記事、それに…、テレビにも出演経験あるんですよ。ニュース番組に。」
吉竹、
「おっと、順平~~、知ってるな~~。」
「結構、ニュース番組、観てますから。」
吉竹、頷きながら、
「ふんふん。」
メンバーたちがお世話になる螺旋のシェフとスーシェフと一緒にスマホで写真を撮っている。
龍二、
「僕っくも~~。」
順平、
「んじゃ、俺も~~。」
そして、写真を撮ったメンバーたちがそれぞれにテーブル席に。
愛結美、吉竹と小埜瀬に、
「ようこそ、出席して頂いて~~。」
吉竹、ニコニコと、
「おっ。お疲れ様、幹事どの~~。まっ。歓送迎会は、全員参加。自ずと了解してますから。佐津香大明神の一声でな。かかかか。まっ、鶴の一声って訳だ。」
愛結美、ニコニコと、
「うんうんうん。だから、こそのマーケティング事業部ですから。佐津香さんがいないと、こぅは行かない。…それに…。ここは、菜帆子さんの友達がスーシェフですから~~。」
小埜瀬、目を丸く、
「えっ…???…そうなんですか…???」
愛結美、コクリと、
「ハイ~~~。高校からの親友だそうです。もぅ~~しょっちゅ~連絡取り合っているというし。名前が東野愛萠里さん。元々パティシエ志望だったのがシェフの押坂さんから見染められて料理の道に。すぐに頭角表して、今ではしっかりとスーシェフ、凄いと思いません…???」
ようやく、写真撮影が終わり、それぞれがテーブル席に。
テーブルが4つ程並べられており、座る順番は自由。
当然ではあるが、主役の小埜瀬が雛壇と思しき席に。
そして、その右隣に吉竹。小埜瀬の左隣には愛結美が…。
そこからはそれぞれが自由に。
そして、末席には、いつもの通りに、目立たないように、佐津香が…。ふたりの新人の右側に。
そして、その新人の左側には、ある意味、佐津香の相棒でもある菜帆子が…。
そして…。
愛結美、メンバーたちを見回して、
「あと…、ふたり…が~~。」
「あ~~っと、そのふたりは…、まだ…。いいんじゃない…???…どのみち。」
吉竹。
「多分、後で合流するはずだ。いつも通り。」
そう言いながら、
「そして、後で、しっかりと。ゴチになる。」
その声に愛結美、ニッコリとして、
「な~~る。そう言う事ね。」
「まぁ。会長が社長の頃からのお決まりって~訳で~~。」
愛結美、吉竹に、敬礼するように、
「了解しました~~。じゃ、みんな~~。」
吉竹、ニンマリとして、
「佐津香大明神がいるんだ、来ないってぇ~のは、通らない。かかかかか。」
その声に小埜瀬、
「誰ですか、そのふたりって…???」
「まま。それは、後のお楽しみって事で。愛結美~~。始めちゃおう。」
「分っかりました~~。」
好きになれない。 vol,078. 「懐かしい~~。愛衣さん以来だね~~。」
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