「さて…。陽織さん…。どんな感じの人なのか…???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.161.

ドキドキ 熊沢、柚香のその声にゆっくりと頷いて、
「そうでしょう。…私も…、ここでの陽織さんの場合も同じように、全く柚香さんの事は…。」

真輝も、
「あ、はい。僕との時も…そうでした。」

熊沢、一度瞬きをして、
「おや…。」

真輝、
「あっ。それと…、なんですけど…。」
思い出すように、
「えっと〜〜。確か。私は柚香じゃない。」
そこまで言って柚香を見て、
「あっ、ごめん、呼び捨てにして…。」

瞬間、柚香、顔を振って、
「あ、ううん…。…だって、その時、私、陽織になってたんだから…。」

熊沢、コクリと頷いて、
「うん。」
そして、
「真輝君…???」

真輝、
「えぇ。その時、彼女、僕にハッキリと、私は柚香じゃない、陽織だ。だから何、なんで私に着いてくるの。…って。」
僅かに頭を傾げながら、
「何て…言うか…。少し、高飛車な感じで…。」

その話に熊沢、
「う〜〜ん。」
そして、腕組みをしながら、
「さて…。陽織さん…。どんな感じの人なのか…???…それについても…。…もしかして…。今後も…。」
柚香を見て、
「柚香さんが、もし、また陽織さんになった場合…。まっ。これは…、その時の状況にならな…ければ、分かる術もないんですけど…。…とにかく…。様子を見ていくことしか…。」

柚香、熊沢の話に、
「えぇ。はい。」

そして、数秒の沈黙。

そして柚香から、
「先生。ありがとうございました。」
熊沢にペコリとお辞儀を…。

真輝も柚香を見て、熊沢にお辞儀を。

熊沢、
「あ、いいえ。…こちらこそ、貴重な話を…。」
そしてふたりにお辞儀を。
「ありがとうございました。」

柚香、
「じゃ、私たちは、この辺で。」
真輝を見て。

真輝も、コクリと。

熊沢、
「わざわざ、出向いてもらって。ありがとうございました。…また、何かありましたら、是非。…そして…。…その、藪岡先生にも、よろしく。」

柚香、
「あ、はい。」

「多分…。今後も、陽織さんに…、なる…かも、知れない。その時は…。出来れば、可能な限り。」

柚香、微笑んで、
「はい。こちらこそ、お願いします。」

3人、揃って、椅子から立ち上がり、熊沢、診察室のドアを。

柚香、ペコリと、
「ありがとうございます。」

熊沢、
「では、気を付けて。」

ふたりが診察室の外に。ふたり、再び熊沢に一礼を。

熊沢も同じように。
「あ、それから。」

柚香、目を見開いて、
「あ、はい。」

「くれぐれも、おばあちゃん。幸乃さんに、よろしく。」
そして、
「お願いします。」

柚香、ニッコリと、
「あ、はい。分かりました。」


そして診察室を離れて…。ナースステーションに。
看護師たちにも挨拶をして。

看護師たちふたりに、
「また、おいで〜〜。」

柚香、その声に、ニッコリと、
「ありがとうございます。じゃ。」

「うん。うんうんうん。」



廊下を歩きながら真輝、
「なるほどね〜〜。」

柚香もコクリと、
「うん。やっぱり、病院でも私、陽織に…。」
そして柚香、少し口を尖らせて、
「でもさぁ〜〜。何とも…。…こればっかりは…、どうしようも…。」

真輝、
「ふん…???」
エレベーターのボタンを押して。

「私が…。」
エレベーターに乗りながら、
「もし、今度また…、陽織になったとして…。」

「うん。」

「私…、全く意識ないから、どういう感じなのか、全然、分かんないんだよね〜〜。…しかも…、いつ、また、陽織になるのか…。」
エレベーターの壁に背中を。そして腕組みしながら…。

真輝も、頷いて、
「確かに。」

柚香、目をキョロキョロとしながらも、そして、口を捻じ曲げながら、
「ふん。まっ。藪岡先生にも、この事は、話しておかなきゃ。」

「だよな〜〜。」
真輝。そして、
「もしかして…。また、夜中が…、陽織になる可能性…。」

その声に柚香、
「ん〜〜。なんだ…、よね〜〜。…ただ…。毎日…では、ない。…でも…。」

真輝、
「うん。」

エレベーターが止まってドアが開く。

「この前みたいに、日中に…。」

「あっ。うん。」
そして柚香、
「あっ。そうだ。」
真輝に振り向いて、
「亮輔さんにもこの事。この際、だれかれ構わず。」

思わず真輝、目をパチクリと。
「りょ、亮輔。」
僅かに考えた風に。
「あ、あ〜〜〜。うんうんうん。確かに。それはナイスアイディア。結構、遊び人って聞くから。」

柚香、今度は真輝と一緒に歩きながら、
「うん。しかも、エンカントには常連って。」

「へぇ〜〜。そうなんだ〜〜。」

すると、柚香、
「あっ。」

その柚香の声に、真輝、
「うん…???」

柚香、思わずニタニタと笑いながら…。そして真輝を見て、
「私〜〜。」
体を揺らしながら、

「面白い事、閃いちゃった。シシシシ。」

そんな柚香に真輝、
「はぁ〜〜あ〜〜???」


病院を出て、歩きながら柚香、真輝に、
「ねね。エンカント、行ってみない…???」

いきなり真輝、両眉の先を吊り上げて、
「エンカント〜〜???」

柚香、そんな真輝に、
「いやいやいや。だ〜〜ってさ〜〜。」








LIBRA~リブラ~   vol,082.  「さて…。陽織さん…。どんな感じの人なのか…???」

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