「はい、これ。その白髪交じりと顎鬚のじじぃ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.160.

ドキドキ 匡子も、
「はは。太った可愛いおばちゃん。私も、顔見たら、物凄い優しそうで、しかも…、すっごい、頼りがいのある女性でび~~っくり。」

獏、笑いながら、
「かかかか。彼女がいなかったら、俺…、ロンドン…、無理だったかも…。」
そして料理を見て、
「いただきます。」
一口。
「ん~~。」
佐武郎に、左手親指1本立てて、
「ナイス。サブちゃん。」

佐武郎、ニコニコとしながら頭をペコリ。

匡子、
「鏡花さん、あんたをロンドンに残して、日本での編集記者の仕事に復帰。とにかく、今でもしっかりと、良い記事書いてるもんね~~。」

料理を食べながら獏、
「何たって、記者一筋だもん。恵まれてるよお袋~~。」

「まっ。一時、兄貴も帰国して、あんたはロンドンでひとり。」
「ふん。ソフィが、まっ、ロンドンでの俺のおばあちゃん代わりだったから。俺も懐いてたし。」

匡子、当時の事を思い出して笑いながら、
「かかかか、私は、その頃、最悪だった。」

その声に獏、
「はいはい。以前にもその話。」

匡子、腕組みしながら、頭をぐるりと、
「まさかね~~~。あんなに、なろうとは…。私も…。…で、鏡花さんとの一騎打ちがあって。」

いきなり獏、
「ぷっ。一騎打ちって…。かかかか。」

「ばか。あれからだよ。中学の頃から好きになった料理。武器にしちゃおうって思って。…んで、兄貴と鏡花さんから紹介されたお店に…。」

獏、
「確か…。」

「高村家の食卓~~。オーナー、高村通~~。今もしっかりと付き合ってるよ~~。あのテキトー人間~~。…けど、料理の腕は天下一品。なんとも2つ星だから~~。」

「あ~~。はいはい。」
獏、
「ミシュランね~~。」

匡子、獏に、
「あんたも言ってみたら。海江田夫婦の息子だって言ったら、歓迎されるよ~~。」

獏、その声にキョトンとして、
「ふん。行った時、ないんだよね~~。…どんな人なの…???…その、高村…。」

匡子、
「とおる。人が通るの通。…まっ。名前自体が、テキトー。な~~んて言ったら、怒られるね。ははは。」
そして自分のスマホから通と愛生と一緒に写っている画像を出して、
「はい、これ。その白髪交じりと顎鬚のじじぃ。」

その声に獏、笑いながら、
「かかか。じじぃって…。どれどれ。」
そしてスマホの画像を見て、
「へぇ~~~。うんうんうん。何となく、味のある男性。…で、この隣にいる女性…。」

「それが、そのじじぃの姪っ子の愛生ちゃん。愛の字に生まれるって書く。」

「へぇ~~。」
そして獏、
「何…???…この、姪っ子さん、家…、東京なの…???」

その声に匡子は顔を左右に振る。
「ううん…。」
そして口を開けて、
「まっ。愛生ちゃん、彼女もいろいろとありましてね~~。実家は、神戸なの。」

「ほぅ。」

そして匡子、愛生の事を獏に話始める。




「へぇ~~え~~~。まっ。つまりは、2つ星の弟子って感じ…???」
「まっ。つまりは、そんな感じになるんじゃないかな~~。音楽が好きで、今なんて、路上ライブもやってるんだって~~。」

「へぇ~~。聞いてみたいね~~。」

匡子いきなりニッコリと、
「うんうんうん。」
そして、
「さてと、獏。話は戻るけどさ。昨日の件。あんた、どうするつもり~~。」

その話に獏、
「いやいやいや。またそれですか~~。勘弁してよ~~~。」
と、そこまで言って獏、
「と、言っても、勘弁する気は、サラサラないよね~~。叔母貴の場合…。…って言うか、匡姉ぇ。」

間髪入れずに匡子、
「あんたね~~。昼は昼で、匡姉ぇって、言ってる癖に、ヨウちゃんたちがいると、いきなり叔母貴って言うの、ちょっと~~、やめてくれる~~。」

その声に隣で他の客の料理を作っている佐武郎も、
「ぷっ。」

そんな佐武郎を見て匡子、
「ねぇ~~。サブちゃ~~ん。」
そして獏を見て、
「サブちゃんだって、あんたが来た最初の日の店、終わってから、叔母貴って、聞いたときある…???…って言ったら、首振って~~。顔傾げて、そして、いきなりクスクスと笑って~~。…なんか…、その…表現自体が、年増に見えるって、そんな感じじゃない…???」

その話に獏は獏で、目の前で手を振って、
「いやいやいやいや。そんな~~。列記とした日本語だし~~。それに…、実に、敬愛を含めての表現になると思いますけど~~。」

けれども匡子は、
「ダメ。やめて。」
そして、
「あのね~~。このテキトー男の通ちゃんでさえ、私の事、匡ちゃんって言ってるくらいさ。それに、この愛生ちゃんでさえ、通ちゃんって言ってるくらい。」

すぐさま獏、両手をサラリと上げて、
「はいはい、分かりました~~。では…、通常モードで、彼女たちの前でも、匡姉ぇで、参ります。」

腕組みして匡子、
「分かりゃ、いいのよ、分かりゃ~~。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,166.   「はい、これ。その白髪交じりと顎鬚のじじぃ。」

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