「マユの事…、妹みたいな…感じでしか…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.125.

ドキドキ 千晶、
「私…、霧島さんに……。」
そこまで言って千晶、
「実は…、私…、来年の…春には…、結婚するかも…知れない。」

その声に茉祐子、いきなり目を真ん丸く、
「ライチ~~~。かっかかかかか。おめでとう~~。じゃ、遂に岩槻(いわつき)さんと…???」

「うん。彼がね、いよいよ、両親に会わせたいって…。」

茉祐子、途端に、
「や~~った~~。うんうんうん。嬉しい~~。ライチ~~が、いよいよ、け~~~っこ~~ん。かかかかか。おめでとう~~。」

「うん。…多分、会社のみんなには、ハッキリ決まってから報告…って、なるんだけど…。」
「うんうんうん。」

「マユさ。」
「うん。」

「柊(しゅう)って、何歳か、知ってる…???」


千晶の言う、岩槻柊(いわつきしゅう)とは、都内の室川証券の証券マンである。
年齢30歳。

茉祐子、
「岩槻さん…???…あれ…、何歳だっけ…???」

茉祐子のその声に千晶、途端に、
「かかかかか。」
可笑しがって、
「うん。あんまり会社の中じゃ、柊の事、話さないもんね~~。…柊、30よ、30。」

茉祐子、目を右斜めに、
「30…。」

「うん。霧島さんと同じ。」
「あっ。」

「ねぇ…。マユ…。…私…、マユが霧島さんの事、好きって知った時、凄い嬉しかった。…それに、ナターシャと一緒に仕事が出来ても、嬉しいのよ。しかも、そうしながら霧島さんの年齢が30歳って知った時…、柊と同じ年齢なんだって知って、増々…。」

茉祐子、その声に、
「ライチ~~。」

「…でね、マユ~~。」
「うん…???」

「マユに…謝んなきゃって、話…。」
「うん。」

「実は…私…、霧島さんに、マユの事…聞いちゃった…。」
「へっ…???」

「…しかも…。今日…。」
「今日って…。」

「うん。今日。ほら。ナターシャとの取材の打ち合わせで…。」
「へっ…???打ち合わせって…。ナターシャの…???…あっ、でも、ナターシャでのって、霧島さんに、それに…羽田さんだって…いたはず…。それな…。」

間髪入れずに千晶、
「ううん。羽田さんは別件で来れなかったの。」

茉祐子、
「あ、あ~~~。」

「…でね、マユ~~。打ち合わせの最後に…。私、マユの事、霧島さんに聞いたの。」

茉祐子、
「えっ…???」

「あっ、でも…、霧島さんとの話の内容、ダニエルやルーシーは知らないから…。テーブル席の…通り側の方で話してたから…。」
「……。」

「マユ。霧島さん…、マユの事…。」

茉祐子、口の中のものを飲み込んだ感じで…。

「霧島さん、マユの事…。傍にいて楽しいって…。そして…嬉しいとも言ってた。優しいよね。」

茉祐子、
「う…、うん。」

「…でね、マユ~~。けど…、霧島さん…、マユの事…、妹みたいな…感じでしか…。…それ以上には…。」

茉祐子、その途端に、いきなり目頭が熱く…。そして小鼻が…ツ~~ンと…。
そして声は…なく…、数秒…。

千晶、
「マユ…。マユ…。」

瞼に涙を溜めて…。
「ご、ごめん、ライチ~~。電話、切るね。」
指をトン。途端に頬伝う涙。

切れたスマホを見ながら千晶、一言。
「言っちゃった~~~。」
そして、
「マユ~~~。」



茉祐子、いきなりテーブルの前で体育座りになって、
両膝を両腕で抱き締めるように、そして顔を埋めるように…。
2回程…、鼻を啜る。

数秒…、顔を上げて…。
今度はベッドサイドに背中を…。そして頭を後ろに…。
「あ~~~。」




翌日の朝、会社で茉祐子、自分より後に出社してきた千晶に、
「おはよ、ライチ~~。」

千晶、いつもと同じ感じの茉祐子に、僅かに頭を傾げて、
「お、おはよう。」
そしてにっこりと、
「うん。おはよう~~。」





その2日後、凛久のスマホに茉祐子からラインのメッセージ。

凛久、そのメッセージを見て、
「OK~~。分かった~~。了解~~。」





今回はふたり、田園調布から真っすぐにお台場へと…。
お台場への電車の中でいろいろと仕事に関しての話をする2人。
そして編集の話へと…。始終笑顔で、そしておどけてみせる凛久。そして茉祐子。

そして…、以前と同じ、手摺りに掴まっての茉祐子。






薫子と茉祐子~その愛~   vol.219.   「マユの事…、妹みたいな…感じでしか…。」

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