「茉祐子ちゃんだって、その内…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.141.

ドキドキ 茉祐子、
「かかかか。や~~っぱり、気持ちいいね~~。」

凛久、
「うんうん。だ~~ね。…あっ、そういえば、茉祐子ちゃん、例の…オーストラリアの従妹さん…。あれから…???」

その声に茉祐子、いきなり口に手を…、
「あっ。そういえば…、私…霧島さんに言ってなかったっけ…。」

キョトンとして凛久、
「うん。おとうさんに紹介する…って、までは…聞いたけど、その先は…。」

茉祐子、舌を出して、
「そっか~~。そうだった~~。」
そしてまた前を向いて、
「夢乃ちゃん、おとうさんに許してもらったって…。」

凛久、その声に、
「へぇ~~。良かった~~。うんうんうん。」

「嬉しいよ。私には唯一の従妹だから…。そんな従妹がまず結婚のチケット…。…うん。羨ましい~~。」

凛久、そんな茉祐子に、
「かかかか。何言ってる~~、茉祐子ちゃんだって、その内…。」

その瞬間、茉祐子、少し顔を曇らせて…。ポツリと…、
「その内…。その内…。」

凛久、
「えっ…???」

茉祐子、
「その内…。その内って…、いつ…???」
凛久の顔を真剣に見て茉祐子。
「霧島さん…。」

凛久、その茉祐子を見て、
「茉祐子…ちゃん。」

「私は…、霧島さんに、ハッキリと好きだって言った。…だけど…。…霧島さんからは…。」
「茉祐子ちゃん。」

「霧島さんからは…、私…、まだ…何も…。」

凛久、茉祐子の顔を…、少しだけ謝るような…、そんな顔で、
「茉祐子…ちゃん…。」

「霧島…さん。」

凛久、今度は茉祐子の傍で、自分も手摺に掴まって。

茉祐子、
「分かってるよ。」

凛久、茉祐子に向いて、
「えっ…???」

「霧島さん…、私の事を…妹みたいにしか…見てないって…。…この前、ライチ~が…。あっ、ライチ~~って、渡会千晶。」
「あ~~、うん。」

「ライチ、私の事が心配で、霧島さんにダイレクトに聞いてみたって…。電話で言ってくれた。」

凛久、海を見ながら、
「そっか~~。渡会さん…。やっぱり…、茉祐子ちゃんに…、言ったか~~。」

「うん。ライチ~にしてみれば…。前から私の事、しあわせになってもらいたいって…、願っていた…ひとりだから…。」
「良い…友達だ。」

「うん。」
「ごめん、茉祐子ちゃん。」

その声に茉祐子、いきなり口を尖らせて…。そして一度だけ、下を向いて…、
「仕方…ないよ。」

「えっ…???」

茉祐子、今度はいきなり手摺りを抱き締めるように、
「仕方…、ないっか~~。」
そこまで言って茉祐子、
「霧島さん、今まで、ありがと。ふふ。楽しかった。うん。ありがと。」

凛久、
「茉祐子…ちゃん…???」

茉祐子、今度はいきなり笑って…、
「かかかか。霧島さんと最初に、本格的にデートしてもらって…、それから…、3週間…???…何だか…、無理やり…付き合わせたって…感じだね。ごめんなさい。」
手摺りから離れて、今度は凛久に丁寧に頭を下げて謝る様に茉祐子。

「茉祐子ちゃん。いやいやいや。そんな…、謝るなんて…。僕の方こそ…。」

茉祐子、首を振って、
「ううん。多分、迷惑だろうなって…。そんな気がして…。…幾ら、羽田さんから猛チャージ…って言われても…。私…、馬鹿みたいに、懸命に霧島さんに飛び込むような…。」

「茉祐子…ちゃん…。とんでもない、迷惑だなんて…。茉祐子ちゃんと一緒にいて、楽しいし。嬉しいし。…そして、何より…。」

瞬間、茉祐子、
「霧島さん…。ありがと。……でも…。…これ以上…、霧島さんの…、その気持ちに…。私は…。…ううん…、私は…。…多分…、はは…。ダメ…かな…。…私…、霧島さんの…妹じゃ…ないから…。」

その声に凛久、
「茉祐子…ちゃん…。」

茉祐子、更にもう一度、凛久に丁寧に頭を下げて、
「ごめんなさい。」
そう言って茉祐子、
「さて。霧島さん、帰ろっか。」

「えっ…???」




帰りのふたりは…、あまり話す事なく、ただ、あちらこちらを見ながら…。


そして田園調布。茉祐子、凛久に、
「今日は、ありがとうございました。また…仕事で、お世話になります。よろしく…お願いします。」
そして凛久に手を振って、
「バイバイ。」

凛久、
「あ、あ~~。よろしく。」

ポツリと…。






薫子と茉祐子~その愛~   vol.220.   「茉祐子ちゃんだって、その内…。」

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