巴、
「仕方…、ないよね~~。」
そして、
「ふふん。」
そんな巴を右斜めで見ていたダニエル。
「オヤオヤオヤ、トモエ~~。スキナヒト、デキタネ~~。」
巴、
「サンキュ~~。ダニエル。」
他の客にメニューを運んでカウンターに戻ってきたルーシー、
「ナニ、ドウシタ~~???」
千晶、
「いやいやいや。来栖ちゃ~~ん。へぇ~~~。瑛輔~~。」
茉祐子、
「まっ、来栖ちゃん、年下…良いって言ってたもんね~~。」
ルーシー、
「ヘッ…???マユコノハナシジャナクッテ、コンドハトモエ…???ワッツ…???」
和歌葉、
「来栖ちゃん、瑛輔…、好きになっちゃった~~。」
ルーシー、
「ワ~~オ、ワンダフォ~~。」
和歌葉、
「そっか~~~。来栖~~。瑛輔、好きになっちゃったか~~。」
和歌葉、両手をうなじに…。そして後ろ髪をサッと仰いで…。
「あ~~ぁあ…。…私…、ひとりになっちゃったか~~。好きになる人…、いないの~~~。」
その瞬間、千晶、
「えへ~~~???」
そんな4人の中で茉祐子、口を噤んで、
「ふ~~ん。」
その日の夜、パジャマのままで仕事のために自分のパソコンを使っていた茉祐子。
パソコンのデジタル表示は23:15。
スマホの着メロ。
「あっ、ライチ。…はい、私~~。」
スマホの向こう、
「あ~、うん、私、千晶。」
「どしたの…???」
「ん~~。なんか…、落ち着かなくってさ。」
その声に茉祐子、
「はっ…???落ち着かない…???…かかかか。なんで、ライチ~が、落ち着かないで、私に…???」
「ん~~~。…だって、なんていうか~~。…これって…、結果的には…マユの…事になるから…。」
そんな千晶に、茉祐子、少し可笑しくなって、
「えへ…???…私の事って…、え~~。なになに…???」
その声に千晶、こちらは短パンに低シャツ姿で、体育座りで、
「私が、マユに言う、結果的には、マユの事…って、言ったら…。」
茉祐子、
「あっ。」
そして茉祐子、
「もしかしたら…、霧島さん…???」
その声に千晶、コクリと頭を…。
「うん。」
「霧島さん、誘うと必ず、約束守って会ってくれてるから…。」
「うん。それは分かってるよ。」
そして千晶、
「なかなかさ…、会社じゃ言えなくって…。」
その声に茉祐子、
「……。」
「霧島さん…。」
「うん。話していても楽しいし、優しいし。一緒にいて、嬉しい。…よ。」
「そっか~~。」
少し力ない声がスマホから感じる茉祐子。
「何々、どうしたの~~、ライチ~~。そんな風に言われると…、気になるじゃんよ~~。」
咄嗟に千晶、
「あ~~、ごめん、ごめん。別にマユに…。」
そこまで言って千晶、少し躊躇って…数秒。
茉祐子、スマホに、
「な~~~に、どうしたのよ~~???」
「マユ…。霧島さん、どんな感じ…???」
茉祐子、キョトンと…、けれども、眉を歪めて…、
「どんな…感じって…、言われても…。さっきも言ったけど…。話していても楽しいし、優しいし。一緒にいて、嬉しい。」
「うんうん。分かった。うん。…けど、その向こう…。」
また茉祐子、眉を歪めて、
「その向こう…???」
「う……ん。…その…向う…。」
茉祐子、途端に、
「いやいやいや。その向こうって…言われて…。」
「マユ~~。」
いきなり千晶、声を強めて…。
「マユにはしあわせになってもらいたい。折角、霧島さん、好きになって、私も喜んでいるのに…。」
茉祐子、その声に、
「えへ~~~???」
「…だ~~ってさぁ。折角よ、折角~~。」
いきなりムスッとした感じになっての千晶。
「ライチ~~???」
「友達以上…、恋人未満…???」
瞬間、茉祐子、
「ライチ…。」
「マユは…、恋人以上に…なりたいんじゃ…ないのっ。」
「ライチ…。」
千晶、今度は声のトーンを下げて、
「そういう…意味じゃ…、私…、マユには…謝らなきゃ…ならないんだけど…。」
「謝るって…。へっ…???ライチ~~???」
千晶、口を尖らせて、
「マユ…。実は私…。」
そこまで言って千晶、数秒のだんまり。
茉祐子、
「ライチ~~???」
「ごめん、マユ…。実は私、霧島さんに…。」
「うん…???」
薫子と茉祐子~その愛~ vol.218. 「恋人以上に…なりたいんじゃ…。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。