ガンダム00・妄想短編【Nobody can shoot down the wish.】#7 | 浅葱色の空の下。

浅葱色の空の下。

薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。



最終話です。


思った以上に長くなってしまいましたw


前の話、切る場所間違えたねw







#1はこちらから → 






出来ればこちらの曲を再生しながら読んでいただけると嬉しいなと思います。



ラルク My Dear





アニメ沿いのお話であり、

キャラ崩壊あります。



閲覧注意。




それでも宜しければどうぞ。



















「来た…」


出撃命令が出る。



もう迷わない。


このまま、終わらない。



マイスターたちもクルーたちもこれまで以上に一つになっていた。




「○○!」


こんな時までも顔を見せてくれるのは律儀な恋人だ。



「…いってらっしゃい」


「…いってきます」



「言いたいことは山ほどあるんだけど…。○○、愛してるよ」


「私もアレルヤを愛してる。また、会いましょ?」



引力があるように引き寄せられた互いの唇。


離れればそのままアレルヤの右耳に移動して囁く。



「…ハレルヤ、またね?」


次の瞬間、口角があがったのが見えた。



「はっ。変わらずめでたい頭だな。馬鹿は死なないと治らないんだぜ?」


(ハレルヤ…)


「…そう、だね」

金色の瞳を見つめ応える。



「○○。生きろ」


「…」


「他人の生き血を啜ってでもな。…足掻け」


「…はい」


「…いいコだ」


首筋に噛みつかれ、ピリッとした痛みが走る。

その場所を今度は優しく舌がなぞった。


「じゃあな」


いつもの不敵な笑みを浮かべて彼は去っていった。


その背中を静かに見送る。







体勢を立て直した国連軍はジンクス12機と、
擬似太陽炉を7基も搭載した巨大MA「アルヴァトーレ」でプトレマイオスを攻撃する。

アルヴァトーレの戦艦並みの出力を持つ主砲がプトレマイオスに打撃を与える。

出撃したGNアームズとエクシアはアルヴァトーレに応戦し、
キュリオスとヴァーチェはジンクス部隊に応戦する。





ガンダムたちの出撃を見送った後、
身体の力がスッと抜け、力が入らなくなる。


艦内に攻撃を受けた際の振動が響く。



『ああ、ダメだ…。流石に限界かも。モレノさんのところに行かなきゃ』

私は無重力に身を任せメディカルルームへと向かった。




「○○っ!」

私の姿を見るなり、モレノさんはすばやく近づき、身体を支えてくれた。


「…よくやった!良くやった!もう充分だ、早くカプセルにっ!」


「モレノさん、…また頂戴?」

私の言葉に目を見開き、徐々に険しくなっていく顔。


「馬鹿をいうな!!こんなぼろぼろな身体で何を!!」


「…ごめんなさい、モレノさん。私ね?諦めが悪い女なんだ。それに、…信じてるの」


「…」


「私の仕事、まだ終わったわけじゃないんだ」

私の言葉に眉間に皺を寄せたまま、そっと目を閉じるモレノさん。




少しの間があって、モレノさんが口を開いた。


「…。…前回と同じものをすれば○○は壊れる。これは弱いが、効き目はある。…それでいいか?」


医師としては苦渋の決断だったのかもしれない。

でも私の意志を尊重してくれたのが何より嬉しかった。


「ありがと」

上手く笑えたかは分からないけれど、今出来る私の精一杯の笑顔を浮かべた。


「…」


「モレノさん?」


「…何だ?」


「…これは私の望んだことだからね?自分を責めないで」

私の言葉に俯き、無骨な手で頭を掻いた。


そして私と目を合わせて、フッと笑みを零した。


「…終わったら○○をびっくりするくらいの健康体にしてやるからな」


「ふふ。期待してる」

その言葉と笑みにつられるように私も笑みを浮かべた。




身体に注がれれば、生気が満ちてくる身体。


そっと作った拳に力を入れてみる。


(いける…)



「…ありがとう」


「次はないからな」


「うん」

モレノさんの真剣な眼差しに応えるように頷いた。


ぽんと頭を撫でられ、私は自然と笑みを零した。







ドッグに戻った途端、プトレマイオスに強い衝撃が襲い掛かった。



『やられた…っ!どこ?!』


画面上に示された場所は先程までいたメディカルルームの辺りだった。



「モレノさんっ!」


ドアに向かえば入ってきたのはイアンさん。



「メディカルルームがやられた!」


「っ!!」

その言葉に歯を食いしばる。



「強襲用コンテナを出すぞ!」


「はい!」

イアンさんと私は急いで収納エリアへと向かった。





「俺が行く」


「…はい。私はGNフィールド、その他の修繕にあたります」

イアンさんの言葉に頷き、その瞳を見つめ返す。


「○○!」


「はい!」


「…頼んだぞ」

イアンさんの口元に零れた笑みに、きつく口を結んだ。



イアンさん、貴方こそまだソレスタルビーイングには必要な人です。



「イアンさんこそ、ガンダムを頼みます」


「私も行くわ!」

飛び込んできた声に驚いて目を見張る。


「スメラギさん?!」

覚悟を決めた瞳。


「…任せま…わっ!」

紡ごうと思った言葉はスメラギさんが抱きついてきたことで遮られた。


「終わったら、また美味しいお酒でも呑みましょ」


「…っ!…はい」

耳元で囁かれた言葉に少し笑みが零れて、小さく頷いた。





イアンさんとスメラギさんが強襲用コンテナで応戦し始めたころ、
こちらに向かってくる人影が見えた。



「フェルト?!」


「あの!クリスさんが…っ」

その言葉に私は瞬時に理解した。



「…そう!エラーが出てるの!
私もイアンさんが行っちゃうし手いっぱいだから、フェルトお願いしていい?」

私は笑みを向けながら肩をポンと軽く手を置く。


「わかりました!」

フェルトは頷き、コンテナへと入っていく。

その背中を私は見守る。



(フェルト…。生きて)





強襲用コンテナが切り離されたのを見送り、私はクリスに通信を飛ばす。



「クリス?」


「「○○!」」


「フェルトはちゃんと乗せたわよ、大丈夫」


「「…ありがと。○○も行けば良かったのに」」


「私もクリスと一緒で諦めの悪い女なんだよね」


「「…そっか。私たち似たもの同士だね」」

私たちのあっけらかんとした声が妙に心地よく感じる。



「じゃあまたね」


「「うん」」




『さぁ、やるべきことをやろう』



私は画面に向かう。


その直後、ジンクスからの被弾が艦内全体を再び襲った。











大破した破片などと共に宇宙に浮かぶ身体。




薄れていく意識の中、視線を泳がせれば、目に届いたのは緑の光。




『GN、粒子…』



届くはずのないその光に手を伸ばす。





ねぇ、貴方は刹那?


ティエリア?



…アレルヤ?





最後に見る光がどうか貴方でありますように。








ねぇ、アレルヤ。


こんな私に沢山の想いをありがとう。


いつかきっと貴方の中に住む女(ひと)と結ばれるよ。


大好きな貴方と共に戦うことが出来て私は幸せでした。





ねぇ、ハレルヤ。


約束、守れなくてごめんなさい。


自惚れかもしれないけれど、



愛してくれてありがとう。





目の前が白くなり、最後の衝撃が身体に降りかかる。










(…、…、○○、○○)




『…ああ、ロックオン。もう、来てくれたんだね』



貴方がいるなら寂しくないね。






ここから皆を、


未来を、見守ろうか。




平和が奏でられるその時まで。




私たちの願いが届くまで。




願いは誰にも撃ち落せないのだから。








fin.








聞いて



世界中が過ちに汚れていても


君へ繋いだ手は


いつまでも


離さないから



それだけは信じていいよ






いつか


世界中が喜びと巡りあう頃


君と出会えてたら


途切れない悲しみなんて


決して見せなかったのに





聞いて



世界中が過ちに汚れていても


君へ繋いだ手は



いつまでも


離さないから




例え



この想いさえ



嘘に思われても



君への輝きは


いつまでも降り注いでる




それだけは信じていいよ











゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚








はい、書きなぐらせていただきました。



読んで下さった奇特な素敵お嬢様、ありがとうございましたm(_ _ )m



明日、あとがき書かせていただきますw








みふゆ