ガンダム00・妄想短編【Nobody can shoot down the wish.】#6 | 浅葱色の空の下。

浅葱色の空の下。

薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。





#1はこちらから → 








アニメ沿いのお話であり、

キャラ崩壊あります。



閲覧注意。




それでも宜しければどうぞ。


















しばらくして。


ハロがデュナメスを帰艦させた。




一目見るだけでも戦いの厳しさが見てとれる。


原型を留めている場所なんて何処にもない。




イアンさんと私でコックピットへと向かう。


目に入ってきたのはまだ残る多くの破片とハロの姿。


主の姿はなかったけど、シートに残った血痕が状況を物語っていた。




ゆっくりと私に近づくハロ。


「…おかえり、ハロ」


「○○、ゴメン。○○、ゴメン」


ハロの言葉に息を飲んだ。



溢れそうな涙を必死で堪える。



「…ハロが無事で良かった。太陽炉まで届けてくれてありがとう」

私はハロに手を伸ばし、抱きしめる。


「○○、ゴメン。○○、ゴメン」


「ハロが謝ることじゃないから、ね。…ハロ、ここはいいからフェルトのところにいってあげてくれる?」


「リョウカイ。リョウカイ」






連合軍側に撤退信号が出、ガンダム3機も帰艦することとなった。




私は気がつくと身体は医務室へと赴いていた。




私の顔を見るなり、更に悲痛な面持ちとなるモレノさん。




「…○○」


「モレノさん。寝てる暇なんてないの。一番強いの頂戴?」


「…○○、止めるんだ。今のお前の状態じゃ命の危険に関わってくる」


「…覚悟が出来てなかったわけじゃない。
でも…こんな思いはもうしたくないし、皆にもさせてくないの」


「…しかし、○○」


「どうせ戦うなら万全で戦わせてあげたいの」

私の言葉に顔が歪むモレノさん。


「…」


「モレノさんだって、あんな可愛い弟や息子みたいなマイスターたち、むざむざと殺されたくはないでしょ?」


「…」

こんな言葉を使うだなんて私は卑怯だ。

それでも私が作業することで彼らの未来をほんの少しでもいい方向に導けるかもしれない。


眉根を寄せて、歯を食いしばるモレノさんに訴えた。


「…お願い」


「…私は可愛い妹のようなお前も失いたくはない」


その言葉に心に温かいものがすっと注ぎ込まれた気がした。


張りつめていた心が少し緩んで、自然と口元に笑みを浮かんだ。


「ありがと。でも私に出来ることは限られてるから。…ね、お願い」


「…わかった。…ただし、身体に異常が起こればすぐさま来ること。いいね?」


「了解」

小さく頷いて、モレノさんの気遣いに心から感謝した。







帰艦したガンダムの修復、整備に没頭する。


近づいていた彼の気配すら気付くことはなかった。



「○○」

呼びかけられ、ゆっくりと横を向けばアレルヤが眉根を寄せて佇んでいた。


「…お帰り、アレルヤ」

アレルヤに視線を送り、今出来る笑顔を向けた。


きっとその笑顔は笑顔になりきれず、きっと酷いものだと思う。


「…ただいま」


「…」

アレルヤの表情が少し歪んだ気がして、私はPCに視線を向けた。


「モレノさんから聞いた」


「そ」


「君は…」


「アレルヤ。私は大丈夫だから話すなら部屋で休んで」

アレルヤの言葉を遮って、素っ気無く言葉を投げつけた。


「○○」


「忙しいの」


「…○○」


「止めて、触れないで」

近づいて触れようとしたアレルヤに声で制止をかける。


「…○○は強いね」


「弱かったらこんなとこにいないでしょ」

視線は変わらず画面に向けたまま、冷たくあしらった。


「…そう、だね」


「…」


訪れた沈黙。



貴方の傍にいれない私を許してください。




「…じゃあ、これだけ」


「…っ」

スッと距離を縮めたアレルヤは私の頬にキスをする。

動けなくなる私をそっと包んで、耳元で囁く。


「…君が自分を責めてないか心配だった」


「…っ」

大好きな、酷く優しい声が全身に染みていく。


私はそっと目を閉じた。


「…じゃあ、僕は部屋に戻るよ」

そう言った後。

名残惜しそうにもう一度そっと頬にキスをして。


緩められる腕。



離れていく体温。




…限界、だった。




「……。…覚悟、出来てるはずだったのに」

気付けば、零していた言葉。


目の前の画面がみるみる歪んでいく。


空間に浮かび上がる涙の雫が見えた。



「…○○」


「…もう嫌なの。仲間を…失いたく、ない」

一度溢れ出した涙は止まることを知らずに。


「○○」


「アレルヤ、貴方もっ!!…失いたくないのっ!!」

泣き叫ぶように声を絞り出して、愛しい貴方に手を伸ばす。


「○○…っ!」

表情を歪ませたアレルヤは掻き抱くように私を引き寄せ、きつくきつく抱き寄せてくれた。

私もアレルヤにすがるように、離すまいと強く抱きしめる。


「私にっ、出来、る、ことは…これしか、ないっ、から!」

嗚咽を上げながら、紡いだ言葉にアレルヤは私の額にキスをした。

そのキスがまた酷く優しくて、

私は声を上げて泣いた。





私が落ち着くまでずっと私を抱きしめていてくれたアレルヤ。


表情を窺えば、いつもの優しい瞳が微笑んでくれた。


「無理してるってわかってる。でも貴方を失いたくないから。…今は私を許して?」


「…わかった。何かあればすぐ呼んで?」


「…ありがと」

引き寄せられるように唇を重ねる。


離れていく彼の後姿を見送り、私は息を強く吐き出して、画面へと向かった。



それから私は半ば狂気と言わんばかりにドッグに篭り、ガンダムの修繕に没頭した。









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次で最終話です。



よろしくお願いします。






みふゆ