薄桜鬼・妄想現パロ短編【You were close to.】最終話 | 浅葱色の空の下。

浅葱色の空の下。

薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。




現パロ。


土方さんのお話。


隊士たちは美容師設定です。


#1はこちらから → 






因みに同じ設定で左之さんの話はこちらから → 



キャラ崩壊してます。



それでも宜しければどうぞ。





















「…どこ、行くの?」



赤信号。



トシの車に初めて乗って。


助手席にちょっと緊張しながら彼の綺麗な横顔に問いかけた。



「ああ…。壬生公園の梅が満開で、早咲きの桜がもう咲いてるらしいからな。
その近くに美味い蕎麦の店があるんだと」


「へぇ…。私なんかが一緒でいいの?」


それは深い意味もなく。

何気なく言った言葉だったんだけど。




「…てめぇの惚れてる女と見に行って何が悪い」

ちらりと横目で私を見たかと思えば、信号が青に変わって逸らされた視線。







「…は?!」





『…今、何て言った?』




視線はトシを捕らえたまま、その言葉に私は目を丸くして、息を飲んだ。




トシは左手でハンドルを持って。


頬杖をついて。


右手の甲で口元を隠して。


まるで表情を晒したくないように前を向いていた。






少しの沈黙にトシが言葉を零す。



「…帰りたいなら家まで送るぞ」


「え、いや、…行きます」

私はパニックになる脳内をどう整理していいかわからず、ただ俯いていた。






「ほら、降りるぞ」



「え?あ…」


『もう着いたんだ』


ふぅと一つ息を吐いて、ガチャリとシートベルトを外す音。


私もそれに倣うようにシートベルトを外す。





「あの…トシ…。さっきのって…私のことが好きってこと?」



「何度も言わせんな。…惚れてんだよ」


私が見つめれば絡んだ視線。



少しトシの顔が赤い気がする。



でも…、私の顔は…きっと、もっと、赤い。





「え…と、いつから」


「さぁな。随分と前からなのは間違いねぇが」


「そ…そうですか」

恥ずかしくなって少し俯く。



「お前は?」


「ふぇ?」


「お前はどうなんだよ」

優しい眼差しで私を見やるトシ。



問いかけに応えなきゃと思うと…心臓の音がうるさくて。


瞬きの回数も増える。



ぎゅっと膝の上で手を握った。




「…え…と。好き…です」


俯きながら応える。



「出会ってもう長いが、なちのそんなテンパってるとこ、初めて見たな。案外可愛いもんだな」


「…なっ…!!!」

顔を上げれば、ふわりと笑ってトシの綺麗な左手が私の髪を撫でた。



高鳴る胸に自分でも驚く。


今更…、気持ちと身体が恋心をちゃんと自覚したのかもしれない。



先に降りたトシが助手席に回ってドアを開ける。



「ほら、行くぞ」



おずおずと車から降りた私。


手をグッと引かれて、お店へと向かう。


トシの手は、温かかった。





入ったお店のお蕎麦は本当に美味しくて、

さっきまでの照れくささは退いて行って…、


…がっつり、食べた。




それでもふとしたときに向かいに座るトシを見れば、優しい表情に交わる視線。



急に恥ずかしさを思い出して俯けば、

クッとトシが喉で笑うのがわかる。



今も私がデザートの蕨もちを食べていれば。

トシは煙草で一服しながら、口元に笑みを浮かべて私を見ている。



「…何よ」


「気にするな。見てるだけだ」

ふぅぅと天井に向けて煙を吐く。



「それが!…気になる、から」


「惚れてる女見て、何が悪い」

口角を上げた表情がむかつくけど、やけにかっこいい。



『…からかって笑ってるだけでしょ!』という言葉は上手く出なくて、飲み込んだ。



トシに見られてると何か調子狂う…。


私は最後の蕨もちを口に運んだ。








近くの壬生公園に移動して遊歩道をトシと歩く。



トシは2、3歩先を歩こうとするから、

私は少し駆け寄って。


その手を取った。




トシは眉を上げたけど、すぐに口元に笑みを零して。

手をギュッと握ってくれた。



梅のエリアを抜けて、一本咲き誇っている桜の元へと向かう。



手を繋いだまま桜の木の下で見上げる私たち。



「綺麗だね…」


「ああ…」



風もないのに、ヒラヒラと舞っていく花びらたち。


その花びらを目で追えば、トシの視線と絡んだ。



「トシ…」


「何だ?」



「何で『今』だったの?」


「…言いたくねぇ」

視線をそらせるトシ。



「は?何?言いなさいよ」


「…総司に煽られたんだよ」

私が眉根を寄せれば呟かれた言葉。



「総司?」


「…深いとこまで聞くな」


「…ホントに私なんかと付き合っていいの?」

胸の片隅にあった不安を口にしてみる。


「お前しか見えてねぇからな」

私の言葉に再び視線を絡めて、喉の奥で笑いながら、繋いでた手をグイっと引き寄せられる。


身体が傾いて半歩近づいた私たち。



「これからゆっくりと俺がどれだけなちを想ってるか教えてやるよ」


「じゃあ…私も負けないようにしなきゃね」


得意げに口角を上げる表情が何だか悔しくて、対抗してしまう言葉。


言葉のやりとりがくすぐったい。



手をぎゅっと握れば、握り返してくる大きくて綺麗な手。



『ああ…、そっか。私たちは昔からこうしてもう傍にいたんだ』


ずっと、心はこうして寄り添っていた。


このタイミングだったのは、ただ単にお互い不器用だっただけかもしれない。




「何考えてるんだ?」



「トシが好きってこと」



「…同じだな」




私の頬に手が添えられて、近づいてくるトシの綺麗な顔。


私はそっと目を閉じる。






ザアァと風が駆け抜け、



舞い散る花びらがふわりと浮かぶ中。





唇が重なった。









ずっと傍にいた。



これからもずっと傍にいよう。












~ fin ~









゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚







ごめん、ごめんなさい!!!m(_ _ )m



左之さんより甘くなくてすみません(ノω・、)



デレ方さんでしたでしょうか。。。。むー(´・ω・`)



あとがきは。。。明日アップしましょうかね、うん。





そして。




素敵妄想エリョ娘な皆さん、お待たせしました。




0時前後に土方さんのエリョ、フォレストにてアップします。




またリンクする記事もあげますので、チェックしてみてくださいね~。




もう、しばらくエリョ書けないよwww それくらい頑張ったw



左之さんでも有り得るエリョなので、左之さん贔屓な方は変換していただければ。。。(*゚ー゚)ゞ







みふゆ