現パロ。
土方さんのお話。
隊士たちは美容師設定です。
#1はこちらから → ★
因みに同じ設定で左之さんの話はこちらから → ★
キャラ崩壊してます。
それでも宜しければどうぞ。
「…どこ、行くの?」
赤信号。
トシの車に初めて乗って。
助手席にちょっと緊張しながら彼の綺麗な横顔に問いかけた。
「ああ…。壬生公園の梅が満開で、早咲きの桜がもう咲いてるらしいからな。
その近くに美味い蕎麦の店があるんだと」
「へぇ…。私なんかが一緒でいいの?」
それは深い意味もなく。
何気なく言った言葉だったんだけど。
「…てめぇの惚れてる女と見に行って何が悪い」
ちらりと横目で私を見たかと思えば、信号が青に変わって逸らされた視線。
「…は?!」
『…今、何て言った?』
視線はトシを捕らえたまま、その言葉に私は目を丸くして、息を飲んだ。
トシは左手でハンドルを持って。
頬杖をついて。
右手の甲で口元を隠して。
まるで表情を晒したくないように前を向いていた。
少しの沈黙にトシが言葉を零す。
「…帰りたいなら家まで送るぞ」
「え、いや、…行きます」
私はパニックになる脳内をどう整理していいかわからず、ただ俯いていた。
「ほら、降りるぞ」
「え?あ…」
『もう着いたんだ』
ふぅと一つ息を吐いて、ガチャリとシートベルトを外す音。
私もそれに倣うようにシートベルトを外す。
「あの…トシ…。さっきのって…私のことが好きってこと?」
「何度も言わせんな。…惚れてんだよ」
私が見つめれば絡んだ視線。
少しトシの顔が赤い気がする。
でも…、私の顔は…きっと、もっと、赤い。
「え…と、いつから」
「さぁな。随分と前からなのは間違いねぇが」
「そ…そうですか」
恥ずかしくなって少し俯く。
「お前は?」
「ふぇ?」
「お前はどうなんだよ」
優しい眼差しで私を見やるトシ。
問いかけに応えなきゃと思うと…心臓の音がうるさくて。
瞬きの回数も増える。
ぎゅっと膝の上で手を握った。
「…え…と。好き…です」
俯きながら応える。
「出会ってもう長いが、なちのそんなテンパってるとこ、初めて見たな。案外可愛いもんだな」
「…なっ…!!!」
顔を上げれば、ふわりと笑ってトシの綺麗な左手が私の髪を撫でた。
高鳴る胸に自分でも驚く。
今更…、気持ちと身体が恋心をちゃんと自覚したのかもしれない。
先に降りたトシが助手席に回ってドアを開ける。
「ほら、行くぞ」
おずおずと車から降りた私。
手をグッと引かれて、お店へと向かう。
トシの手は、温かかった。
入ったお店のお蕎麦は本当に美味しくて、
さっきまでの照れくささは退いて行って…、
…がっつり、食べた。
それでもふとしたときに向かいに座るトシを見れば、優しい表情に交わる視線。
急に恥ずかしさを思い出して俯けば、
クッとトシが喉で笑うのがわかる。
今も私がデザートの蕨もちを食べていれば。
トシは煙草で一服しながら、口元に笑みを浮かべて私を見ている。
「…何よ」
「気にするな。見てるだけだ」
ふぅぅと天井に向けて煙を吐く。
「それが!…気になる、から」
「惚れてる女見て、何が悪い」
口角を上げた表情がむかつくけど、やけにかっこいい。
『…からかって笑ってるだけでしょ!』という言葉は上手く出なくて、飲み込んだ。
トシに見られてると何か調子狂う…。
私は最後の蕨もちを口に運んだ。
近くの壬生公園に移動して遊歩道をトシと歩く。
トシは2、3歩先を歩こうとするから、
私は少し駆け寄って。
その手を取った。
トシは眉を上げたけど、すぐに口元に笑みを零して。
手をギュッと握ってくれた。
梅のエリアを抜けて、一本咲き誇っている桜の元へと向かう。
手を繋いだまま桜の木の下で見上げる私たち。
「綺麗だね…」
「ああ…」
風もないのに、ヒラヒラと舞っていく花びらたち。
その花びらを目で追えば、トシの視線と絡んだ。
「トシ…」
「何だ?」
「何で『今』だったの?」
「…言いたくねぇ」
視線をそらせるトシ。
「は?何?言いなさいよ」
「…総司に煽られたんだよ」
私が眉根を寄せれば呟かれた言葉。
「総司?」
「…深いとこまで聞くな」
「…ホントに私なんかと付き合っていいの?」
胸の片隅にあった不安を口にしてみる。
「お前しか見えてねぇからな」
私の言葉に再び視線を絡めて、喉の奥で笑いながら、繋いでた手をグイっと引き寄せられる。
身体が傾いて半歩近づいた私たち。
「これからゆっくりと俺がどれだけなちを想ってるか教えてやるよ」
「じゃあ…私も負けないようにしなきゃね」
得意げに口角を上げる表情が何だか悔しくて、対抗してしまう言葉。
言葉のやりとりがくすぐったい。
手をぎゅっと握れば、握り返してくる大きくて綺麗な手。
『ああ…、そっか。私たちは昔からこうしてもう傍にいたんだ』
ずっと、心はこうして寄り添っていた。
このタイミングだったのは、ただ単にお互い不器用だっただけかもしれない。
「何考えてるんだ?」
「トシが好きってこと」
「…同じだな」
私の頬に手が添えられて、近づいてくるトシの綺麗な顔。
私はそっと目を閉じる。
ザアァと風が駆け抜け、
舞い散る花びらがふわりと浮かぶ中。
唇が重なった。
ずっと傍にいた。
これからもずっと傍にいよう。
~ fin ~
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ごめん、ごめんなさい!!!m(_ _ )m
左之さんより甘くなくてすみません(ノω・、)
デレ方さんでしたでしょうか。。。。むー(´・ω・`)
あとがきは。。。明日アップしましょうかね、うん。
そして。
素敵妄想エリョ娘な皆さん、お待たせしました。
0時前後に土方さんのエリョ、フォレストにてアップします。
またリンクする記事もあげますので、チェックしてみてくださいね~。
もう、しばらくエリョ書けないよwww それくらい頑張ったw
左之さんでも有り得るエリョなので、左之さん贔屓な方は変換していただければ。。。(*゚ー゚)ゞ
みふゆ