薄桜鬼・妄想現パロ短編【You were close to.】♯1 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

はい。



調子に乗って1階の土方さんに行っちゃいますよ~w


前編後編の予定。


お相手はなちさんです。


なちさん、お名前貸してくださってありがとうございますm(_ _ )m




現パロ。


隊士たちは美容師設定です。


因みに同じ設定で左之さんの話はこちらから → 



キャラ崩壊してます。


それでも宜しければどうぞ。













少し春めいてきた日曜の夜。


日は長くなったものの、日が沈めば少し肌寒い。



私はトレンチコートの前を閉じる。


仕事をいつもより早く終えた私は行きつけの美容室に向かっていた。




明日はうちの会社は休みで。

火曜からは新しい業務のプロジェクトが始まる。


そのメンバーに選ばれて、私は気合を入れるためにも髪を切りたかった。




「こんばんはー」


ドアを開ける。



「お。なちじゃねぇか、久しぶり」


「久しぶりだね、なちさん。ちょっとソファにかけて待ってて。」

髪を切っている左之と総司が声をかけてくる。


平助はこっちを見て私に笑いかけながら、奥のシャンプー台でシャンプーをしていた。



私は目的の人物がいないことに疑問が浮かぶ。



「…ねぇ、総司。トシは?」


「え?土方さん?えーっとね…」

総司は何やら意味ありげに左之に視線を送る。


左之がお客さんに声をかけて、私の方へとやってきた。



「…トシは?」

近寄る左之に怪訝な顔で問いかける。


「なち。土方さんは下だ」

耳元近くで囁く声。


「は?」

私は目を見開いて、声を上げる。



「なち、声がデカい。…ちょっと色々あって一階の理髪店の方へ回ったんだ」


「はぁ?!何それ!!!」

私は構わず声を上げ、踵を返した。


「おい、なち!待てって!!」


左之が呼び止めるのも聞かずに、ドアを開け、階段を駆け下りて一階のドアを開けた。



私の姿に一とザキくんが目を見開いて動きが止まる。



「うわ!なちじゃねぇか!何しにきたんだよ!お前、上だろ?」


「おー。なっちゃん、久しぶりだな~」


「うるさいわよ、新八!あ、源さん。久しぶり~」

新八に言葉で噛み付いて、お客さんで来ていた近所の源さんに笑顔を向けて軽く手を振る。


ツカツカと店の奥へと歩いていく。



「あ、あの、なちさん!」


「トシはどこ?」


「…事務所です」

ザキくんは私の剣幕に言葉を飲み込んで答えた。



私は事務所のドアを勢いよく開ける。




そこにはタバコをふかしながら、PC前にトシが座っていた。


思いっきり眉間に皺を寄せて、入ってきた私を睨む。



「…何だよ」


「何で2階にいないのよ」

ツカツカとトシの前まで歩み寄る。



「てめぇのうるせぇ声はここまで聞こえてきたぞ」


「そんなこと聞いてない。何で2階にいないのよ」

私の問いかけにふぅとタバコの煙をはいて、めんどくさそうに答えた。



「…てめぇには関係ねぇだろうが。髪切るなら原田や総司に切ってもらえよ」


「嫌よ、トシがいいの!!」

更に眉間に皺を寄せたトシは私の言葉に目を閉じて、頭を掻いた。




私とトシはもう腐れ縁みたいなもの。


私もトシも近藤さんのお父さんがやっていた、小さい頃からここの理容店に通っていて。

トシも家は近所だったから同じようにここに来てた。


そのうち二階に美容室が出来て。

美容師になったトシが初めて客として髪を切ったのは私だった。




そんな私たちは付き合ってるわけではなくて。

顔を合わせば口論になるけど、それが私たちのコミュニケーション…だと思ってる。


トシの美容師としての腕は確かなもので。


私は信頼していたし、周りからも髪を切ると褒めてもらってた。




「何があったのよ」


「…面倒な客がいたから1階にしてもらったんだよ。俺は原田や総司みたいに上手く流せねぇからな。
無愛想だしよ。こっちの方が元々あってんだ」

またタバコの煙を吸い込んで、思いっきり吐き出した。


「…そう」



「お前は何で髪切りにきたんだよ」

トシは私が髪を切るときは何かしらのきっかけがあることを知っている。


「火曜からね、新しいプロジェクトが始まるの。それのメンバーに入れたから気合を入れたかっただけ」


「…そうか。わりぃが、原田か総司に…」


「嫌よ、トシじゃなきゃ嫌なの。いい。もう帰る」

踵を返した私。



「待てよ、なち」


「…何よ」

トシの言葉に立ち止まる。


「明日会社休みだろ?明日朝10時に上に来い。…切ってやる」


「ほんと?」

その言葉に眉を上げて振り返る。


「ああ」

口元に笑みを浮かべたトシに駆け寄った。



「嬉しい~!!ありがと、トシ!」

椅子に座るトシにガバッと抱きつく。


「…っ!馬鹿っ!危ねぇだろ!煙草が…」


「じゃあ明日ね!」

慌てるトシを気にせずにすぐに身体を離して声をかける。



「…。遅れんじゃねぇぞ!」


「はーい、おやすみ~」

手をひらひらと振りながら事務所から出て、店を通って家に帰った。









なちが立ち去った後、また1本、煙草の火をつける。


大きく吸い込んで、天井を見上げて肺の中の煙をいっぺんに吐き出す。



「相変わらずですね、土方さん」

室内にある一階と二階を繋ぐ螺旋階段から沖田が顔を出して、クスクス笑いながら降りてくる。


「…うるせぇよ、総司。てめぇはてめぇの仕事してこいよ」

再び眉間に深い皺を寄せた土方が睨みつけながら言葉を投げる。


「やだなぁ、終わったから来てるんですよ。…会話、丸聞こえだし。

ホント相変わらずですよね~。土方さんもなちさんも」

沖田はコーヒーメーカーの前に立ち、自分のマグにコーヒーを入れていく。



「…うるせぇよ」


「早く素直になってくっついちゃえばいいのに」

振り返り、土方をニヤニヤと見つめながらコーヒーを飲んでいく沖田。



「うるせぇって言ってんだろうが!」


「はいはい」

土方の言葉を受け流すように応える。



「なちさん、可愛いですよね~。僕貰っちゃおうかな~」

そう言って、コーヒーを飲みながら上目遣いで土方を窺う。


「あんなじゃじゃ馬、お前には無理だ」

テーブルに置いていた冷めたコーヒーを飲み干す土方。


「ですよね~。じゃあ誰ならいいんです?」


「…」

にやりと口角を上げる沖田をじっと睨みつける土方。



「何だ、自覚あるんじゃないですか。早くどうにかしないと顔の見えない誰かさんに、かっさられるかもしれませんよ?
…もうすぐ春だし?」

くすりと笑った沖田が流し目で土方を見ながら、階段を昇っていく。



「…うるせぇよ」

また煙草に火をつけた土方は一つ煙を吐き、煙草をくわえながらパソコンに向かった。










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。。。どう、でしたでしょうか?



左之さんの後なんで、甘さ控えめとなりますが。





前回から気になってるんですが、翻訳あってんのかな?www


Kズサさんに聞いてみようか。。。






みふゆ