さてバタバタしていて、ブログが疎かになっていましたが「今日は感じた事が沢山あるので」こちらに記載したいと思います。



最終的にフラメンコの勉強で学ぶのは、「生の人間の本質的な部分」なので昔も今もあるようで、ないようなものかと思います。



しかしながら、「その時代を生きた人達特有の思い」はきっとあるはずです。

「昔の家庭料理を探す旅」と言うほうが正しいかもしれません。

受け継がれてきた家庭料理も作る人が変われば変化します。

良く日本でも、「先代の味」と歌われる食事処があるように「ある地方で一時的に称された家庭料理」をベース(基礎)を変えずに受け継ぐ人達はきっとたくさんいるんだと感じます。



本日はセビージャから車で20分ほど離れた郊外のテアトロへ足を運びました。

名前はTeatro Salvador Tavora(テアトロ・サルバドール・タボラ)


色々な企業の倉庫や工場がある団地にあります。どうやら倉庫を改装しててテアトロにしたようだ。



私はオタクなので(笑)最初から最後のフィンデ・フィエスタまでゆっくり見ていました。


今回はJosé Galván (ホセ・ガルバン)先生の教え子達とアシスタント講師による発表会のような舞台でした。

まず目を惹くのは75歳のマエストロの献身ぶりでした。

19時開演だからと、18時半からお客さんを入口で待ち一人一人に挨拶をしていました。

また、会場の席案内も開演10分前までしています。(しかも全く衣装を着ていない😱)

最後までお客さんが入場したか確認すると、やっと舞台裏に入りました。


そして開演すると、ペアの踊りがあったりソロが続けて色々ある中、マエストロは「他の2名のカンタオーラと伴にカンタオールとしてほとんどのパロ(曲種)」歌っていました。

あくまで組織のリーダーではなく、組織に尽くして、本当に纏める役に徹していたんです。

どちらかと言うと、「バイレ(踊り)よりカンテ(歌)が好きなのかな?🙄🙄🙄」と言う印象を強く受けます。

フラメンコで1番大切な、「アコンパニャール(寄り添う)」を常にしていました。それは、踊る前から始まっていました。

あれだけ、日本のタブラオ公演に招聘され大活躍のマエストロ。しかしながら、「けして威張る事なく、サポートする立場に徹していました。

また、今回はプロフェッショナルな公演ではなくあくまで「生徒のソロ公演」であると言うのは認識していましたが、「今までスペインで見てきた生徒公演」より "許される範囲が広い"と感じました。

と言うのも、技術が十分になくても「本人が望めば難しい事に挑戦」「コンパスずれずれでもサポートする」そして「不完全でもお互いへのリスペクトが高い」



この4年以上見続けてきた、「プロフェッショナルな環境」とは違う、「非常にアット・ホームな雰囲気」。そして何より、「名の知れたマエストロの献身的で謙虚な姿」が素晴らしかったです。

この周りを気づかう献身的な姿勢は、普段の生活や今までの経験から養うのだと本当に感じました。

「周りを巻き込むコミニュケーション」は踊りの際にも明確に現れていました。


19時開演で22時過ぎに終ると言う長時間の公演でしたが、改めて色々感じました。

もちろん、「表現者として披露したい。」と言う気持ちは常にどんなジャンルのアーティストにもある思います。

「観たり、聴いたりする人達がいるから、アートがある。」

しかしながら、その環境でフラメンコ業界のスターになりたいか?つまり、ビジネスとしてトップを経験したいか?

と言う関わり方は、凄く躊躇していまいますね。実際にビジネスにしている方々には大変申し訳ない感想ですが、「綺麗な世界ではない。」と言うのが現実であり、真実なんですよね。

しかしながら、フラメンコと言う産業があるからこそ人生を送るアーティストさん達がスペイン含めて、色々な世界に存在するんだと思っています。

今回のホセ・ガルバン先生も「スーパー・サバイバー(生存者)」の1人。

つまり、生半端な精神的強さではない。非常に強いハートの持ち主だ。

75年の人生の中で、辛いことや理不尽なことは山のように経験しているに違いない。

でも、数少ない「カンテ(歌)が大好きなバイラオール(踴り手)」であること。自信はあるが、腰が低く人に尽くすコミニュケーションや接し方ができること。

「これが、本来はフラメンコだと思う。」

なんか「経験値を増やす/力試し」と言う理由から、コンクールを経験した事。けして無駄ではない経験だが、人と競い合う環境にいた自分が少し恥ずかしい。

「本来、順位を競うものでもビ
ジネスの為に自分をマーケティングするものでもないんだ。」

「好きだから、本質的な勉強をしたい。シンプルに好きでいたい。」

そして、「人にアコンパニャール(寄り添う)」

では、「自分らしく人に寄り添うにはどうしたらよいのか?」

それを本当に学ぶ為に、フラメンコをとおして人間的に成長しなさい。そう神様が教えてくれているのかも。🙏