昨日5月29日、日弁連総会で、安保法案に反対する決議なされ、そこで私も意見を述べました。骨子は以下の通りです。
「大事な問題なので、さらに皆さんと議論をしたいと思います。
決議案では『憲法上許されない集団的自衛権の行使を容認するもの』とか『外国で戦争をしている他国軍隊の武力行使に対する積極的協力』とか『我が国が外国での武力紛争に巻き込まれる危険』等についての懸念が表明されています。
しかしながら、今、私たちが考えるべき事態はそこにあるのではないと思います。
4月27日、日米安保ガイドラインが改定されました。18年ぶりのことですが、重要なのは『見直し』の打診が、『戦後初めて』の日本政府側からの防衛協力『拡大』の要請であること、そして、日本側の要求で『離島防衛』が明記されたという点は見ておく必要があります。
つまり『対・中国』を睨んで、そこに米軍を巻き込む意図・戦略ということです。釣魚台、独島をめぐる中国、朝鮮半島有事を睨んで『米国を巻き込む』という日本政府の意図です。
昨年の、この定期総会で『尖閣諸島に中国が侵略目的で攻めてきたら自衛隊はどうすべきなのか?』という質問がでて、執行部は『検討中です。』と答えたまま、そのままになっています。
『個別的自衛権』『専守防衛』、どんな言葉を並べようと、侵略戦争であり、侵略戦争は、かならず、自衛の名で始められます。それが歴史の教訓です。
だから、自衛のための武力行使、中国が攻めてきたらどうする、で沈黙していては、結局、戦前と同じです。
決議案には、『戦前、弁護士会は、言論・表現の自由が失われていく中、戦争の開始と拡大に対し、反対を徹底して貫くことができなかった』、だから、今きちっとものを言わなければ、『真摯な反省と痛切な教訓を生かせない』とあります。
それにも関わらず、日弁連は、監視国家化を進める盗聴拡大・司法取引・証人隠蔽・取調の録音・録画制度の早期実現を求めるなんて、とんでもない声明を出してしまっている。2度も。これは我々にたいする裏切りです。
戦争で利益を得るのは、大資本・金融そしてそれとつながる支配層だけであり、大資本の存立の危機が『国の存立危機』です。99%の私たちはそれに動員されるだけです。
弁護士会が『人権』というのなら、『戦争をする国』に変えようとしている安倍政権を打倒してこそ、でしょう。
厳しい時代だからこそ、本質をとらえ、きちんと議論し意見を述べるのが弁護士会の役割だと思います。」