宮下公園閉鎖  ホームレス排除は他人事? | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

ブログの説明を入力します。

 渋谷区が、宮下公園を今月26日から来年1月3日まで終日閉鎖とのこと。ホームレス支援の炊き出しを妨害することが目的のようです、もちろん、そんなことを明確にはしないでしょうけど。

 90年代の始め、私も大晦日とかは、ギターを持って、代々木公園とか、新宿の地下道とか、宮下公園とかに行って、「越冬炊き出し」で一緒に演奏したり、お酒を飲んだりしてました。
 最初は、当時、多く日本に滞在していたイラン人労働者相手の炊き出しだったのです。それが、日本のホームレスと呼ばれる「路上生活の労働者」と一緒に行う炊き出しに変わって行きました。バブルがはじけ、イラン人が強制退去されたからです(もう用済みってことで)。

 当時から、ホームレスと呼ばれている人たちも、基本的には働いているのに偏見と蔑視の対象でした。青島都知事の「独特の人生観と哲学をお持ちで・・・」という言葉に典型ですが、「好きで路上で怠けて生活している人たち」というような見方でした。多くの弁護士もそうだったと思います。

 この寒い中、路上で生活するのは命がけです。だから地下道なのですが、地下道の段ボールハウスでも、通行人の目にさらされ続け、決して居心地のいいものではありません。当たり前でしょ?

 当時の東京都も、今年の渋谷区も「とりあえず見えなくなればいいや、どこかに行ってくれよ」ということなのだろうと思います。

 ともかく、見たくないモノは排除、強制的に排除、というのが権力の一貫した姿勢だということが、ここに典型的に現れています。

 私は97年1月24日に新宿の地下道のバリケードの中にいました。そして、ホームレスの皆さんと一緒に強制的につまみ出されました。

 思えば、その後、大学や、警察署や、そして裁判所の法廷から強制的に排除される体験を積んできました(!)が、私としては、これらの体験を誇りと思っています。

 そういう現場の体験でわかることはあります。権力は酷いことを暴力を用いて行う、ということです。

 いまだ「怠け者はしょうがない」なんてことを思っている人は、そのうち自分に跳ね返ってくるでしょう。非正規の労働者が2000万人を越えました(12/26ヤフー・ニュース)。
 ホームレスに対する権力の排除は、他人事ではないのです。資本(既にナイキが命名権料支払済)と権力の私たちに対する基本的態度がここに顕在しているのです。