r > g(r=資本収益率 g=経済成長率)つまり、一所懸命働くよりも、資産の相続により蓄積される財産の方が蓄積される、それにより格差は19世紀並みに拡大される傾向にある、というのが2014年の最大の話題であり「結論」だと思います。トマ・ピケティの『21世紀の資本』。
さらに、ロバート・ライシュの『格差と民主主義』でも、アメリカの現実が描かれていて、くっきりと富裕層による支配構造が浮かび上がってきます。
アメリカでは、第二次世界大戦から1981年までは超富裕層には70%以上の税率、アイゼンハワー政権時には91%、だったそう。それが、今では、どんどん減らされて35%程度に。
ごく少数の金のある奴が支配する世界、そして、努力より相続による承継が報われる世界、それが、今、2014年、ということのようです。
え~っだったらどうしたいいの?頑張っても無駄なの?うへえ~、と思いますよね。
ただでさえ、厳しいのに。努力したって無駄なんて。
ただね・・・それは、「資本主義の枠内」の話です。ピケティも『21世紀の資本』というタイトルで本を書いているのです。「資本主義」の問題としてです。
ピケティにしても、ライシュにしても、「階級=class」をクローズアップしないのは、なんだかなあ、と思います。2人とも、「自分はマルクス主義者ではない」ということに躍起です。何故なんだろう?ウチなる偏見に気づいてないのかな?なんてね、そんな二人ではないですよね。でも、ここまで問題に肉薄していて、時代のオルタナティブに素直でないのは、かえって不誠実な印象があります。
資本主義は限界だ、だけど・・・というところなのでしょう。累進課税をすべきだ、つまり、富裕層から分配を得るべきだ、というのは歪つな今の世界のデザインとして当然の発想であり、問題は「どう実現するか」という段階だと思います。少なくとも投票では実現しないでしょう。
じゃあ、どうしよう?持たざる者は、努力や才能を資本主義内で発揮することは無駄、だということでしょう。だったら?
違う世界を作ることに力を発揮しましょう!それが、来年からの当面の課題だと思います。
