非正規職としての弁護士 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 本日は、相模原方面で法律相談でした。いずれも、労働相談で、労災、休職、組合差別など厳しい局面に立たされている事案ばかりでした。

 非正規職、2000万人、就業者の40%以上が非正規、つまり、ずっと働けるかどうかわからない不安定雇用の状態の人がどんどん増えているということです。

 毎月、毎月、給与を貰い、時にボーナスも貰うからこそ、住居のローンや、子どもの教育費の目処が立つ・・・としたら、そうではなく、収入は安定せず、そもそも、仕事がずっとあるかどうかもわからない状態では、ローンも組めないし、子どもも安心して育てられないのは当たり前でしょう。少子化、人口減は当然、という気がします。

 弁護士も基本、非正規職です。というか、個人事業主が基本ですので、大きな事務所の「イソ弁」は別として、雇用されているわけではない、のが原則でしょう。
 毎月、決まった仕事があるわけではないし、当然、決まった入金が得られるわけではありません。もちろん、事務所などで弁護士業を行う場合には、事務所の家賃や人件費等の経費は、毎月キチッとかかるでしょう、それは賃貸であり、雇用しているわけですから。

 そんなの言わずもがな、という時代かもしれませんが、この弁護士のあり方の変容といいますか、非正規的な側面の顕在化が、現状、まさに、非正規のあり方と同じような不安定な職業として認識されており、弁護士志望者は激減しています。

 非正規、そして、正規職でも一生安泰、終身雇用とはいえないし、多くの中小企業の経営者も同じように不安定と将来の不安を抱えながら、生きているのだと思います。
 そういう意味では、弁護士も、皆と一緒になっただけじゃん、よかったじゃん、と思われるかもしれません。
 
 いや、そうじゃないんです。そうじゃなくて、むしろ真面目に働いても、刹那的な展望しかない奴隷みたいな状態で過ごすのが当たり前というのはおかしい、皆で、どうにかしようぜ、と声をあげる時、なのです。なぜなら、この弁護士の状態は、権力にとっての「思うつぼ」だからです。うるせい奴ら=(かつての)労組、(かつての)野党、そして弁護士会を実質的に解体すれば、権力はやりたい放題、それが「構造改革」という政策の狙いです。遂に完成間際ではあります。

 だからこそ、だからこそ、逆らいましょう。そして、天下を取りましょう。選挙でも、デモでも、集会でも、あらゆる手段を使って♪生き抜くために!辛いのは自分だけではない、隣の私も、あの人も辛いのです。手を繋ぎましょう!