わかっちゃいるけど・・・ ロースクールの破綻の予感 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 弁護士会の会報みたいなものがあり、そこに記事を書きました。タイトルは「『ロースクール』なんか行けない」。
 内容としては「学費が年間150万円~250万円で、3年間で450万円~750万円、その後修習してやっと実務というのでは学費を負担出来る人は限定されるでしょう。私は行けなかっただろうし、私の子どもも無理でしょう。」「『市民』の為の法律家にならなければいけないのに、高額な学費の必要なロースクールで、弱者の味方の法律家は育つのでしょうか。企業の為のビジネスローヤーだけが増えていく、そんなことでは意味がないでしょう。」みたいなことを書きました。

 まあ、法律家希望者が激減し、ロースクールがどんどん淘汰されていく時代の今、常識的なことを言っているように思えますが、これを私が書いたのは、10年以上前の「2003年2月」です。
 そもそも、会報の「弁護士こぼれ話」という、無難なコーナーの原稿を頼まれ、書いたところ、「これでは載せられない」と「検閲」にあい、結果、「会員オピニオン」なんてコーナーが新設されて掲載の運びになった、曰く付きの原稿なのですが、まあ、内容的には間違っていなかった、むしろ、現在を予見した内容だったと思います。

 私が言いたいのは、予見していたよという自慢ではなくて、このようなことは10年以上前にも、多くの弁護士にはわかっていた、ということです。わかりながら進めてきちゃった、という恐ろしさを、噛み締めようということです。

 わかっちゃいるけどやめられない・・・「司法改革」しかり、原発政策しかり、そして、戦争する国へ・・・なのでしょうか?

 わかっているということと、その理解に基づき行動することの隔たりの深さに、我ながら嫌になる、という話です。

 嫌になっていても始まらないので、ガンガン、発信していかなければならない、あきらめてはいけないとは思っています。時にヘコタレそうになっても・・。