キンモクセイの香り | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 キンモクセイの香りが漂い始めました。私は、キンモクセイの香りを嗅ぐと司法試験の論文発表を思い出します。しかも、自分の、ではなく、大学4年生の時に合格した親友の。あの頃、在学中に合格するというのはかなりスゴいことでした。
 私は、既に自宅(実家)に帰っていたのですが、合格発表を見て、その友人が珍しく興奮気味に電話(もちろん家電)してきたのです。もう夜だったのですが、大学で落ち合おう、ということで自宅から大学までを自転車で飛ばして行きました。その時、夜の街頭をキンモクセイの香りが包んでいたことを何故かよ~く覚えていて、キンモクセイと言えば、その夜のことを思い出すようになりました。

 そもそも、何故、大学で落ち合うことにしたかと言えば、当時、彼は一人暮らしだったし、つきあっている娘もいなかった(!)し、私は友だちだったから、というそれだけですが。きっと、話し相手、一緒にこの喜びを分かち合う仲間が必要だろうな、というフンイキが電話越しにビンビン伝わってきたのです。
 彼は、高校も一緒だったけど、当時は友人ではありませんでした。ただ、ずっと評判の優等生で、そのことは知っていました。大学時代はとても親しくなり、よく彼の家に泊まりに行ったり、飲んだりしていました。
 その後、司法試験はそのまま在学中合格し、卒業時は法学部の総代となり、英語も出来た彼は、今も国際的に活躍しています。

 その彼に、何よりも私がインパクトを受けたのは、その優秀な彼が周りの誰よりも勉強し努力していた、という点です。皆で、その友人の家で飲み会をして、私が友人を駅まで送り届け、戻ってくると彼は勉強していました。

 その頃(80年代前半)の大学で勉強を一所懸命する風潮はまったくなく、その中で、目標を定めて勉強していたのです。すごいなあ、と素直に思いました。

 なので、そのキンモクセイの夜は、彼だけでなく、私も興奮したし、喜んだし、発奮しました。それから、真面目に勉強をしようと衿を正し、私は司法試験の世界に踏み込んだのでした。