学生時代の主たるバイトは、道路工事の警備員でした。「引きこもり」系だったので、家庭教師とかはダメで・・・。川口の工事現場、藤沢のトンネル、錦糸町のガード下、などなど様々な場所で昼間も夜中もバイトしました。
夜中のバイトは、工事自体が仮に午前3時頃に終わっても帰れないので、飯場で、労働者の皆さんと軽く飲んで始発電車が動くまで時間をつぶしたり、そのまま大学に行ったり・・・。
真冬の夜中は、かなりきつく、月が動くのがわかるというか、時間が、ゆっくりゆっくり過ぎていきました。じっとしていると凍えちゃいそうなので、誰もいないときは、一緒に警備している友人とあの光る赤い警棒で「スターウォーズごっこ」したり。
寒い冬の夜、工事現場の近所の人が缶コーヒーを買ってくれたり、ちょっと暖かくなる想い出もあります。
あるとき(井荻のほうだったと思います。)、プレハブの飯場からトラックの荷台に乗せられて工事の現場まで連れて行かれる途中で、「こういう仕事もいいけど、せっかく大学通っているんだからもうちょっと勉強してもいいなあ」と突然、思ったことは覚えています。まあ、すぐには勉強したわけではないのですが・・・。
いわゆる土方といわれる現場の工事の労働者に比べれば、ずっと楽だったと思いますが、ヘルメットかぶって、警棒もって、道路で車をずっと誘導したり、誰もいない高速道路予定地で一時間おきに見張りに廻るなど、まあ、新鮮と言えば新鮮な体験で、いい勉強になったと思います。身体を持っていって、時間に拘束される、そういう労働は、基本的にそれ以来経験していないので・・。
どっちが、いいとか悪いとかはないですね。なんでも経験してみる、というのはよかったな、と思います。今でも、たまに道路を通っていると「ああ、ここ、俺、警備したな」とか思います。
