アベノミクスと家裁調停 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 アベノミクス・・・もちろん、政府の肝いりのアナウンス、プロパガンダであり、「景気がいい」ニュースをリークする一方、「アベノミクスは失敗だった」という報道も増えています。4~6月期のGDP速報値というの前期比でマイナス6.8%と落ち込んだのが原因とされています。本年上半期の貿易赤字も過去最高だし、数字はごまかせません。

 いずれにせよ、アベノミクスの恩恵を被るのは、名の知れた大企業であり、下々の私たちには、反映されません。「人手不足」とはいえ、それは既に40%近くの割合にのぼる非正規のキツイ仕事についてであり、実質賃金はあがっていません。

 むしろ「アナウンス」の悪影響は、意外なところにも現れています。先日、家庭裁判所の夫婦関係の調停の際、夫の収入が今年に入って落ち込んでいるということを述べ、申告書、給与明細等の資料も提示しながら説明しているのですが、調停委員は「最近は、アベノミクスの効果で景気は回復しているでしょ」なんてことを平気でのたまう始末。
 夫の会社は運送関連であり、燃料の高騰が経費を圧迫し、仕事は増えても利益に全く反映しないどころか右肩下がりの状況。ちなみに、運送業で燃料値上げ分を運賃に転嫁できている事業者は全国でも1%に満たないという調査結果もあるようです。

 困っちゃうんだよなあ、そういう政府の洗脳に乗せられた頭で調停を仕切られたりすると。もちろん、その方自身の実感でもなく、要するに「誰かがもうかっているんでしょ」感がアベノミクスの本質ではないでしょうかねえ。まあ、アンケートによると13%くらい、だから1割くらいは景況感を感じている方はいるみたいですけどね。

 まあ、そもそも私は、調停では調停委員(裁判所)と喧嘩してなんぼとは思っていて、「話を聞いて、わかってくれている人」という幻想のもとに喋りすぎる依頼者に注意を促します。

 裁判所が実感なきアベノミクスを信じるか、当事者の言い分を信じるか。これにより、大きく結果は変わります。

 やれやれ。まさか、こんな形で、我々に影響があるとはねえ・・・