あの「バブル期」への上り坂にあった80年代の大学生である私から見ると、今の大学は、かなり変貌したように思います。
まず、大学のビジュアルが、私の中にイメージする大学のキャンパスと異なり、高層ビルであったり、スターバックスであったり、企業的なところが多くなった印象です。
はっきり言って、長いバケーションのような80年代の大学時代と比べて、今の大学生の経済、というものが、大きく異なります。
まず、私たちの頃は、国立大学の授業料は年間18万円、私立で35万円程度(平均 1980年)でしたが、今は、国立で約54万円、私立で約86万円となっています。
初年度の入金は、2012年で私立で1,315,882円、国立で817,800円。
そして、大学昼間部の学生の半数以上52.5%が奨学金を受給しています。貸与型、つまり、利息を付して返済しなければならない奨学金=貸金が多く、今朝の新聞によると日本学生支援機構のデータでは、延滞は33万人、その延滞学生に対する訴訟は100倍になっているとのこと。
つまり、物価よりも高騰率の高い高額の学費を半数以上の学生が借金でまかない、かつ、給与が足りなくて学費も返済出来なくて、訴えられて被告になってしまうという踏んだり蹴ったりな「アメリカナイズ」された現実が、「現代の大学生の青春」ということになります。
少子化で、大学も経営が大変なんでしょうか、大学なのに「父母会」があったり、いわゆるオープンキャンパスなども盛んで、う~ん、昔とは違うなあ、と感慨ひとしお。
見た目も施設もクリーンで、そして、立て看板、チラシ、学内集会も許可制だったりして、政治的に「クリーン」というか、無臭化が徹底されつつあります。何しろ、簡単には学外者は入構もできません、下手すれば逮捕され、もしくは、プラカードを持った職員に追い出されるという始末・・。
雑菌はつかないかもしれませんが、借金まみれで社会人デビュー。イマドキの大学生は大変だなあ。さらに、そのうち会社にも「父母会」が出来たりして。「うちの子、いつも帰宅が遅いんですけど、残業なのかしら、社長、ご存知ですか?」みたいな。
うわあ・・・、と思っているうちに自分の子どもがぼちぼち・・・。
大学というのは、学問の府。そして、学問というのも諸権力が介入しがち、という歴史を持っています。今や、産学協同というより、ズブズブですが。
高い授業料、奨学金という借金、そうまでして、大学に行く意味、行かせる意味、というのを考えないと、と思います。
