アメリカの都市、ポートランドが気になります。最近、読んだ何冊かの本にも取り上げられていたし、また、雑誌でもよく見かける気がします。
アメリカの北西部のオレゴン州の人口60万人弱の都市です。但し、若者の移住が進んでいて、今は毎週400~500人の移住者を迎えているという「全米一住みたい街」とのこと。
脱大手チェーンの職人的コーヒーがあり、オーガニックな食べ物のレベルは高く、交通手段としては自転車や公共機関で脱クルマ社会、物価は安く、消費税はなし、1960年代に高速道路建設は拒否し、79年には「都市成長境界線」という開発可能地域を明確に区切ることにより、キャンプやアウトドアの名所、雪山、さらにビーチなど豊かな自然が意図的に残されているとのこと。
まさに、現代の一つの理想郷のようです。是非、行ってみたいですね。そんなポートランドも、30年前には景気の低迷による住宅市場が冷え込み、林業等の第1次産業が主力であったため煽りで、失業者が溢れ(失業率12%以上)、ゴーストタウン化した時代もあったようです。
ごくごく、当たり前の生活、地産地消、コミュニティ、というものが、改めて求められている、その象徴が「ポートランドブーム」なのだと思います。つまり、世界の現実は、その反対であって、多くの人が当たり前に暮らし、毎日食べるものも何を食べさせられているかわからず、都市では人々は分断され、どこにいても孤独に競争にさらされている・・・。
とりわけ、日本は、人口減少と高齢化が私たちの目の前の現実です。どうしたら、住みやすい、住みたい世界にすることができるのか。
自分にとって必要なもの、を考え直さないと、と思います。さらには、自分たちにとって必要なもの。何を食べるか。どんな環境に生きるか。誰と繋がりたいか。何を心の糧に生きるか。
なんてことを考えながら、人類史上、最も不必要だと思われる「原子力爆弾」が落とされた街、広島に向かいます。
