いよいよブラジルでワールドカップが始まりそうです。息子もサッカー部だったし、私もキリンカップでメッシのいるバルセロナの試合を新横浜のスタジアムに見に行ったりして、サッカーの面白さは知っているつもりです。なので、多くのサッカーファンが熱狂するのもいいなあと思うし、そういう盛り上がりで一体感が得られるのも楽しいことだなと思います。
但し、それを利用したり、排外主義的なナショナリズムでまとめあげようとするメディアや資本の動きはいただけません。
ブラジルでは、異常に高騰したバス・鉄道・地下鉄等の公共輸送機関の値上げ反対、教育、医療等福祉の改善を求めデモやストライキ(警官や空港労働者まで)が繰り返されています。税金も高いにもかかわらず・・・という怒りがブラジルの人々に溢れているのでしょう。
さて、どこからワールドカップを見るのか。どの席から、ではなく、どの立場から、という問いです。
前も取り上げた朝日新聞の「W杯を脅かすストの影」というのは、「W杯を成功させるべきである主体の立場」に立ったモノの見方でしょう。多くの人が、この見方に乗せられようとしています、まあ、朝日新聞=商業メディアが平気で「見出し」にするくらいですからね。
一方、ブラジルの人々が今、感じている不当な扱いに共感する人たちも多くいると思います。私たちも「2020 東京オリンピック」を突如ぶら下げられ無駄な新国立競技場建設等を強行されようとしています。福島の原発事故も解決していないのに。
ブラジルの人々と同じ立場からW杯を見ると、ここでデモやストライキというのが、どれほど有効か、という「戦略」として合点がいくものと思います。まさに、いつやるの?今でしょ!というのは当然という感じでしょう、世界が注目しているわけでから。
サッカー・・・ブラジルの子どもたちも大好きだとのこと。そして、世界中にサッカー少年が沢山います、ウチの子みたいに。野球少年、バスケ少年、その他様々なスポーツに取り組んでいる子どもたちが世界中にいます。
だからオリンピックもW杯も楽しい「イメージ」なのですが、別にお金に結びつかなくてもスポーツって楽しいんじゃないの? 素晴らしいプレーを見せてくれる選手が、稼いでなくても素敵なんじゃないの? って改めて思います。
サッカー大好き=W杯を成功させたい、っていう立場ではないのだと思います。ブラジルの人々のデモやストライキは、私たちと対峙する相手方からの「脅威」ではなくて、世界の仲間の生活感が溢れ出した私たちの想いの結晶であり、行動です。
子どもたちにのびのびサッカーをやらせたい、という気持ちと同じ延長線上に公共料金や賃金の問題、医療や教育の問題があるはずです。そして、それは他人事ではなく、身近にある「私たち」の問題です。世界中に同じように苦闘している仲間がいる、そのことがブラジルの報道から伝わります。
ブラジルのW杯をどう見るか? オリンピック挙行方針で2020年を迎える私たちの近未来がブラジルにあります。「全て」をしっかり見届けましょう!
