サッカー日本代表選抜のニュースがマスメディアをにぎわす中、ブラジルの公共輸送機関の値上げ、それにも関わらず、賃金は上がらないという状況は収まらず、遂に、税関職員、航空職員、そして警察官までもストライキ、10業界400万人にがスト入り、というまさにゼネスト状況がワールドカップにぶつけられようとしています。
「できれば避けたいが、政府が要求をのまなければ、国のメンツより生活が大事だ」(朝日5/13)というのが地元の人の本音だと思いますが、警察官までストライキに入るというのは、よほどの切羽詰まった状況、ギリシャ的な状況ということでしょう。
ブラジルの犯罪率の高さで、警察官のストということとなれば、治安は悪化してしまうのでしょうが、それどころではない労働者としての警察官らの「現実の生活」の窮状がそこにはあるのだと思います。
一般の人々(労働者)はバスや電車などの公共料金の値上げに反対し、(公共料金は値上げしても)公務員(労働者)は賃上げ要求をしなければならない、という状況は、もはや社会が機能しない新自由主義先進国=南米の人々の生活の厳しさがストライキに現れているのだと思います。
莫大な建設費用をかけてスタジアムを建設するなら生活しやすくしろ、って全世界共通に通じる、わかりやすい要求なのだと思いますけどね。ブラジルの人々に連帯しましょう!
それにしても、「W杯脅かすストの影」っていう朝日新聞の見出しは、完全にブラジルの労働者側と対峙したアンチ・ストライキの印象ですねえ・・・。
