おかしいことは、おかいしいと言わなければならない。 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 10年前の2004年、私は、第二東京弁護士会の副会長でした。当時は、副会長5名で無給の時代(今は、6名に増え、月25万円程度支給のはず)でした。
 私は、この年、既に事務所を独立することは決めて動いていたのですが、わざわざ弁護士会内の選挙にまで出て、6票差で当選し、副会長となったのです。

 何故かと言えば、当時は、司法改革推進法案がどんどん成立・施行されていく時代であり、だからこそ、「それはおかしい、司法改革はおかしいんだ」という勢力の代表として弁護士会に乗り込むことを決断したためです。

 ともかく、当時は、「必ずニーズがあるから法曹人口は毎年3000人にしよう♪」、「そのためにロースクールで司法研修所と違った素晴らしい教育をすればいい♪」、「裁判員制度で旧来の刑事司法に風穴を開けよう♪」などと「バラ色」の未来が語られていたのでした。

     弁護士会の主流は、完全に司法改革推進だったのです。

 実際、身の回りのことはほんとに大変でした.一緒に独立した事務所の仲間や家族ら身近な人にはほぼ全員反対されました。若すぎたし(通常より10年早い)、独立しながら副会長なんて無謀だし(それは、その通りで収入は激減しました)、そもそも無駄ではないか、という意見などで、それは親身に考えてくれたことだと思います。
 一人反対派、ということで、執行部内での扱いも当初、「特別扱い」で(後に聞いたところでは私抜きの会議も構成されていたとのこと)、まあ、孤独でした(その後、正面からの議論を経て、認め合う関係になりました)。

 あれから10年経って、法曹志望者は激減し、弁護士は経済的には極めて魅力の乏しい職種となっています。弁護士自治自体、危機にさらされています。このことに争いはないでしょう。時代の曲がり角で、戦争反対の先頭に立つべき時なのに、です。

    もちろん、これが新自由主義=司法改革の狙いだったわけです。
 
 私は、弁護士会の執行部となってからも、あえて空気を読まずに、あらゆる総会で反対意見を述べ、反対の投票行動を行いました。それが責任だと思ったからです。
 しかし、今思うのは、もっともっと徹底的かつ丁寧に、そして説得的に反対をするべきだったと思います。だから、しようと思います。やはり、おかしことはおかしいと言わなければ、時代に流されてしまいます。気がついたら、少し無理をしてでも言わないと!周りを巻き込んで行かないと!と改めて思います。
 皆さん、がんばりましょう!