「建国記念の日」 愛国心の意味 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

ブログの説明を入力します。

「建国記念の日」については「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と規定しています(国民の祝日に関する法律 第2条)。
 
「国を愛する心」は、その「国」に何を盛り込むかで大きく意味が変わると思います。私を排した公的な意味を強調するのか、それとも、郷里に近い、皆の共同体としての意味か。
 実際のところは、それをあえて曖昧にし、むしろ「公共心」と混同が生じることを前提に「愛国心」を訴えるのが、どこの国においても政府の手法ではないかと思います。
 少なくとも「排外主義」と結びつく「愛国心」は危険であり、「戦争動員へのイデオロギー」だと指摘せざるをえないでしょう。オリンピックで日本の選手を応援する気持ちとは「次元」が異なると思います。

 先日の都知事選では、田母神俊雄氏が60万票を越える得票を得ました。田母神氏は「大東亜戦争は侵略戦争ではない」という趣旨の論文を発表し、2008年に航空幕僚長を解任された人物です。
 選挙の街頭では「『侵略戦争、南京事件、従軍慰安婦、全部ウソだ』と訴えると大きな拍手が湧いた。・・・『外国人参政権には反対だ』」さらには「スピーカーの調子が悪くなると『中国の妨害電波が入りました』と冗談を飛ばしていた」とのことです(朝日14.2.11)。

 若い人の票も多く集めたようです。「時代の気分」ではすまされない不気味さを感じます。 

 何を愛するかは、まさに究極の自由に属する事柄だと思いますが、それを強要されたり、利用されたりすることには、かなり用心しなければならない時代に入ったのだなと自覚を新たにしました。

「田母神氏がメディアから主要4候補として扱われたのも大きい」というコメントを他人事のように掲載しているメディア(朝日14.2.11)のスタンスと役割にも大きな疑問を感じます。