資本主義というブラック企業 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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『ブラック企業ビジネス(今野晴貴 著)』という本が話題になっています。「若者の血肉を貪る真犯人」は、「ブラック企業を支える弁護士・社労士」だと指摘し、その背景に司法改革による法律業の「ビジネス化」があるとします。
 
 依頼があれば、どんな事件も引き受けるのが弁護士・・・か。それとも、依頼を断る場合もあるのか。
 一般論から言っても、後者であり、民事にせよ刑事にせよ、依頼者と一定の距離があり独立している、というところに弁護士のあり方、社会的責任を持った存在としての良さがあるわけです。
 しかし、この本でも指摘されているように、「司法改革」により意図的に弁護士は窮乏化に追い込まれ、食い扶持に鳴る仕事ならなんでもやらざるを得ない状態に追い込まれています。
 そのためには、いわゆる「ブラック企業」の仕事も行っている弁護士がいる、しかも、ブラックなやり方で、という話。
 弁護士のあり方が問われているわけですが、それだけではありません。

 そもそも、ブラック企業が存在しているのは何故かと言えば、労働法制の規制緩和、非正規化政策など、政府の方針がブラック企業化を助長し、もしくは、追い込むものだからでしょう。
 決して、「ブラック企業」を擁護するつもりはありませんが、「命よりもカネ」というビジネス至上主義は新自由主義がもたらしたものであり、日本で明確化したのは郵政民営化=小泉内閣の路線です。
 公共交通(鉄道等)だろうが、郵便だろうが、さらには水道だろうが、黒字でなければならない、赤字ならやらない、というのが民営化、つまり商売化です。
 この本の帯にも書かれている通り、「一億総ブラック化する社会を乗り越えろ」、そのためには、世の中全体を見直す時代なのだと思います。