声明 特定秘密保護法案の成立に反対する | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

ブログの説明を入力します。

本日、以下のような声明を出しました。

 私たち横浜事件第三次再審請求弁護団・再審請求人並びに横浜事件国賠請求弁護団・原告は、特定秘密保護法案に反対する。11月26日に衆議院において可決した同法案は、直ちに廃案にすべきである。
 同法案では、第1条で「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立」することが目的とされている。そして、「特定秘密」とは、「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」に関するものとされている。本法案が「安全保障」という国家の軍事体制確立の目的の立法であることは明らかである。
 36カ所で「その他」という文言が使われており、ここに政府が含めたい秘密全てを無制限に入れることが可能である。また、「漏洩」や「管理を害する行為」は「懲役10年及び罰金1000万円」であり、どこまでが「管理を害する行為」かも不明であり、不明確かつ広範な解釈を許す条文と過大な刑罰による国民の「知る権利」への萎縮効果は計り知れない。
 以上の通り、同法案は権力による恣意的運用の余地があり、政府が国民の批判を排除し、恣意的かつ抑圧的な権力の行使を容易にするための法律、すなわち「治安立法」であると断ぜざるを得ない。

 横浜事件及びその再審請求の歴史から学ぶべきことは、政治権力というものは、ひとたび許せば権力を濫用し国民の思想・表現を弾圧し、そして、その責任を自ら認めることは決してないということである。
 治安維持法(1925年~45年)下において、戦争に突き進む政府にとって邪魔な思想・表現その他の活動は、あらゆる手段をもって徹底的に弾圧された。獄死者も出た。
 そして、ポツダム宣言を受諾して戦後を迎えても、国の犯罪となる証拠を自ら隠滅し、今日に至るまで未だ責任を認めない。

 特定秘密保護法案は、国家安全保障会議の設置と共に改憲や集団的自衛権の行使の容認を目指す現政権の軍備・治安対策強化の道具として濫用される危惧があり、そのことは横浜事件の歴史を鑑みれば決して杞憂ではない。
 軍事(国家安全保障)に関する情報が隠される中で軍事体制及び軍需産業が増強し、一方国民は弾圧・動員により犠牲となる歴史が繰り返される危険性は余りに大きいと言わねばならない。
 多くの国民、報道機関の反対の声を無視して、国会で強行採決をする手法自体も、民主主義をねじ曲げるものであり、到底、許されるものではない。

 私たちは、特定秘密保護法案に反対する。同法案は廃案にすべきである。
 

2013年12月4日

   横浜事件国賠原告(橫浜事件第三次再審請求人) 
    木村まき 平館道子
横浜事件第三次再審請求弁護団
    新井 章 内田剛弘 吉永満夫 大島久明 岡山未央子 森川文人
   横浜事件国賠請求弁護団
    森川文人 河村健夫 山本志都 
$御苑のベンゴシ 森川文人のブログ