第1条で「わが国の安全保障(*1)に関する情報のうちに特に秘匿することが必要であるものについて、適格にこれを保護する体制を確立」することが目的とされています。つまり、「特定秘密」とは、「防衛」「外交」「特定有害活動(*2)の防止」などに関するものです。もちろん、政府が認定したものです。
他の条文でも36カ所で「その他」という文言が使われており、当然ながら、ここに含めたい秘密全て無制限に入れられるようになっています。ちなみに、昨年末時点で政府が保有する「特別管理秘密文書等」の件数は41万2931件ですが、それでは足りないということなのでしょう。
22条、23条によれば、漏洩や「管理を害する行為」は「懲役10年+罰金1000万円」です。どこまでが「管理を害する行為」かは、もちろん政府がきめます。
第5章の「適正評価」というのは、秘密を扱う公務員の家族や同居人を広範に対象にして「飲酒についての節度(第12条2項六 *3)」や「「信用状態(*4)その他経済的な状況(同七)」など、行政の長が把握し、管理する、要するに、曖昧な範囲で基本的に公務員労働者自体を監視の対象とし、分断・孤立に追い込む、ということになります。
*1「わが国の安全保障」とはもちろん、政府・資本の軍事的覇権、つまり、戦闘能力の保持、さらに、つまり、いつでも戦争できるぜ、体制の維持ということです。
*2「特定有害活動」とは、基本的には政府に異議を申し立てる民衆の表現活動を指すと思われます。特定秘密保護法反対、原発再稼働反対などは、当然に「有害」な活動に含まれるでしょう。
*3「飲酒に関する節度」とは、酒癖で、身内に酒癖が悪い奴がいないかまで監視されるという、余計なお世話の極地。
*4 「信用状態」とは、つまり借金があるかないか、とかローンが残っているかとか、要は当該公務員の生活ぶりがわかる、というわけです。
この法律の目的は、「情報管理社会」の確立でしょう。情報は政府が握り、都合のいい情報だけマスコミを通じて流す。明日、同法案は衆議院を通過しそうですが、ケネディの馬車ばかり映すテレビ。さらに、その傾向がさらに深まるということでしょうね。お笑い番組やっている最中に戦争は始まっている、みたいな。
