文科省が15日、小中高向けの教科書の「改革実行プラン」を発表しました。「歴史事項に関する『政府見解』の記載を求める教科書検定基準の改訂(朝日11/16)」を盛り込んでいるとのこと。自民党の部会では「多くの教科書に自粛史観に立つなど問題となる記述がある」ということが理由として挙げられているとのことです。
要は、南京大虐殺の犠牲者数や従軍慰安婦の記述を巡って、時の「政府見解」を子どもたちに押し付けよう、ということです。
『1984年』(ジョージ・オーウェル)の、主人公は「真理省」で日々、歴史の改竄を行う仕事に従事しています。つまり、歴史の改竄は、民衆の支配・洗脳の根幹をなす重要な業務だというわけです。
教科書の記述に対して、政府が介入し、都合良く記述を変える、一方、政府は「秘密」を抱え、それを私たちから隠す。これは、小説のディストピアではなく、日本の近未来に迫っている現実です。
私は、91年に弁護士になり、家永教科書第三次訴訟の弁護団に加わりました。写真は97年の最高裁判決の際の弁護団の写真です。
資本と権力の利益の為には、民衆を兵隊として利用し、軍事・戦争を進める体制を持ちたい支配層は、「愛国心」を持ち、「過ちを犯さない歴史を持った自国」に誇りを持った兵隊予備軍を常に用意しておきたい、そのためには「情報統制」をしっかりしていきたい、これが安倍政権の方針です。
教科書の記述は、スタンダードです。つまり、「常識」を作り上げます。
教科書の検定は、憲法21条で禁止されている検閲まがいの弾圧です。家永三郎先生の写真が、久々に新聞に登場していました。父や教科書弁護団の先輩の闘いを無駄にしないよう頑張りたいと思います。
