私たちの周りには、実に「私道」に満ちあふれています。皆さんは、自分の家から公道だけ通って駅まで行けますか?
現在、私の依頼の中には、私道をめぐるトラブルが、実に増えてきています。
ある日、突然、私道がポールで塞がれたり、大きな塀が立てられたり。家の前の「無番地」だったはずの部分に所有者がいることがわかり「道路付け」のない土地になってしまったり、所有土地の真ん中に赤道が通っていることが判明したり。
きっかけは、それぞれの隣地の所有者の代替わりだったり、売却等の処分等により、かつての近隣の信頼関係が失われてしますことも多いですし、分譲の時点からきちんと取り決めをしていなかったケースまで様々。
解決のためには、様々な法的な主張、たとえば、囲繞地通行権、通行地役権、自然権としての通行、時効取得、消滅時効、そして、交渉、仮処分、不在者財産管理人選任の申立て、本訴、調停などの方法を利用しなければならないことが多いです。
そもそも、道路が誰かのモノ、というのがおかしいというかトラブルのモトではあります。なので、行政に寄付してしまう、という解決もあります。
いずれにせよ、相隣関係ですから、できれば、和解が望ましいですし、ポイントとしては、具体的な公平感をどう確保するか、だと思います。「妨害」している方は、何か不公平感・負担感があるので、それの解消を図るというのが大事ですね。
