安倍首相の所信演説では、「現実」を直視した外交・安全保障政策の立て直し、ということが強調され「積極的に世界の平和と安定に貢献する国」つまり「積極的平和主義」こそ必要と訴えます。
つまりは、自衛隊を海外に派兵し、「自由と民主主義、平和」を守る為に、武力を行使する=戦争を遂行するということ、その為には特定秘密保護法も国家安全保障会議(日本版NSC)も必要である、ということでしょう。
安倍首相の言うところの「現実」と、私たちの側から見える「現実」に隔たりがあるのか。それとも、同じ「現実」を違う立場(ポジション・クラス)から見ているだけか・・・戦争で利得する階級と戦争で殺し殺される関係に陥れられる階級。
安倍首相は「安全保障環境がますます厳しさを増す『現実』から決して目を背けてはならない」と言います。
満州事変のように「仕組まれた現実」を発端にし「やられたからやり返す」という個人間の理屈を強引に動員し、憎しみを「形成」してきた歴史、これこそ「現実」です。
確かに「現実」から目を背けてはならないでしょう。そして、その「現実」とは私たち側から見た「近未来」です。国家が何を企てているのかという真意を見抜くことだと思います。
