裁判官は心を治癒できるのか | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 今年の三月に強盗殺人事件の裁判員を務めた方が遺体の写真を見て「急性ストレス障害」になったと国を訴えています。
 私は、裁判員制度に反対です。強制的に人を裁かせる立場に動員する制度であり、被告人にとってのデュープロセスという点からも、いわば刑事裁判の破壊だとも言える制度だからです。国民のアンケートでも80%以上が反対し、個々の「裁判員」に選ばれた人たちもイヤだ、ということです。
 
 そんな中で、ぼろぼろな弥縫策が登場です。 なんと、裁判官が裁判員制度の判決後、裁判員経験者に電話をかけ、「精神的負担が残っていないか」などと心のケアを行う方針になった(NHKニュース9/26)ということです。

 このいかにも「付け刃」の発想自体のお粗末ぶりが悲惨です。

 いったい誰が、裁判官に「大丈夫ですか」と電話を受けて心のケアが可能なんてこと考えたのでしょうか?裁判官には、もちろん、そのような能力はありません。「心のケア」をなめているというか、根本的に人を大事にしていないと思います。

 裁判員制度の国民の80%以上がやりたくない、この健全な感覚により、すでに「制度」自体が裁かれているのではないでしょうか。