麻生発言と内閣法制局人事の意味は | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 麻生副総理の「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」という発言が話題になっています。
 一方、内閣法制局の長官を外務省出身の「集団的自衛権」容認派の小松一郎氏を起用するとのことです。
 ナチス憲法というのはありません。ですので、麻生発言はそれ自体、歴史的・法的に不正確なのですが、副総理がこのような発言をしたことの意味は、当時のワイマール憲法を授権法、すなわち全権委任法で換骨奪胎し、ナチスの独裁を確立した「手口を学ぶ」という議論が、彼らの中ではなされている、ということではないかと思います。
 授権法というのは、国会が政府に全権白紙委任を認めるものであり、つまり、政府の独裁を合法的基礎付けるものです。ナチスは改憲せずに、実質的独裁を合法化させたのです。
 そして、法制局の長官を入れ替えてまでの「集団的自衛権」容認への舵きり。安保法制懇談会を正式に設置し、集団的自衛権の議論も本格的に開始とのこと。
 集団的自衛権というのは、わざとわかりにくい言葉にしていると思いますが、「侵略するよ」と始まる戦争は近代以降はなく、常に「自衛・防衛」の名目で戦争が始まった事を考えれば、「政府が戦争に参加する(国民を動員させる)権利」というところでしょうか。

 自民党は、形式的な改憲手続なしに、実質的な目的=戦争出来る国家化をも検討している、ということだと思います。授権法の議論もしているのでしょうね、麻生氏も「副総理」ですからね。
          どうしても、戦争したいようです。
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