離婚事件は増えているのでしょうか。気がつくと離婚事件はひっきりなしで、常に携わっています。
トルストイは、「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である。」(『アンナ・カレーニナ』)と書いていますが、全くその通りであり、離婚事件は、全て異なります。
しかし、いずれの場合でも、共通に感じること、それは、世間における「離婚に関する常識」と法律、裁判所での扱い=法律実務の扱いとのギャップという問題です。これだけインターネット等の普及により知識・情報は拡大しているはずなのですが、やはり、そんな離婚のことなんて考えてられないよ、ということかもしれません。
離婚についての世間の常識と言いますか、自分の常識(ないしは思い込み?)のようなものがある方も多いですし、それは、仕方ないですよね。その「常識」と、実際のギャップを埋めることが最初の仕事です。もちろん、弁護士自身の思い込みというのも注意が必要で、事案一つ一つを丁寧に見極めなければいけません。
その上で、ベストの選択をしていく、そのお手伝いをする、ということだと思います。時には、仮処分など激しい応酬にもなりますし、調停委員にも嫌われます。しかし、嫌われても依頼者のベストの為に、というのが弁護士のスタンスですね。
「人は間違った理由で結婚し、正しい理由で離婚する」。これは大学の授業で教わった言葉ですが、まあ、そうなんでしょうけど、人は間違ってなんぼ、だと改めて思いながら仕事をしています。