ついに・・・ついにこのBlogでGT-Rを記事にする日がきました。
が、大変申し訳ないです。
今回の記事、「全く写真なし」です。いつも通りの長文のはずなので、おそらく相当読みにくい状況になると思います。
不覚!本当に自分にびっくりです。まさかGT-Rに乗る日に撮影機材を全く持ち合わせていないとは。
まあ・・・カメラの類を持っていたとしても、撮影する時間を取れたかどうか・・・
それぐらいスケジュールが詰まっている移動でした。(なので、GT-Rを指名しました。同乗者とともに1日事故なくすごすために)
まず、貸し出しからこれまでにない体験をすることになります。
「びっしりいろいろなことが書いてあるA4版書類(しかも2枚)をよ~く読んだ後でないと、サインをさせてもらえない。」
曰く
1)車幅が1895mmあります。十分に注意をお願いします。
2)フロント側スポイラーが低いです。よって、コンビニ等での前向き駐車は控えてください。
3)ホイール&タイヤが専用品です。専用の整備工場でないと交換することができません。パンクの際には、無理せず、まず連絡をください。
4)Rモードは使用しないでください。Rモード使用で事故を起こした場合、一切の補償が受けられません。
5)GPSで位置情報を把握しています。サーキット等競技場には乗り入れないでください。
なんてことがびっしり書いてある書類にサイン。
(Rモードってなんだろう?)
車両の前に立つと・・・確かに・・・確かに幅が広くて、なんだか威圧感がある。
トラックも運転するから、幅広そのものは問題ないはずなんだけど・・・大丈夫かなあ。
「前向き駐車は絶対にしないでください。後ろ側のディフューザーは、そんなに低い位置ではないので、後ろ向き駐車なら、トラブルにはなりません。」
「ドアノブは、普通の車両と違います。この棒状のシルバー色のパーツの端を押してもらって・・・引き上げれば、ノブとして機能します。」
「普通のリモコンキーですから。あと、何かわからないことはありますか?あ、運転席は、電動シートです。」
ああ、大丈夫。運転席から見る風景は、「いつも通りの日本車のスイッチ」類だ。
道行く人々が足を止めてくれた。確か、相当な年月が経過しているはずだけど・・・未だに「珍しい車。すごい車。」らしい。
いや、レンタカーでGT-Rがあることに驚いているのか。
あっけなくスタート。
ごくごく自然な振る舞い。
不思議なのは、走り出してしまったら、「車両の大きさ」を感じない。
おそらく
フーガや、
カムリに比べても幅広ボディのはずなんだけど・・・ボンネットがよく見えるせいか、ものすごく動かしやすい。(
フェアレディZの方が、よっぽど神経を使った。)
100mごとに信号待ちがあるこの大都市でも、不用意に飛び出したりしない。ごくごく普通の車。
そう・・・実は、私、歴代の「GT-Rと名が冠せられた日産車」は、「日本人が考えるスポーツカーそのもの」と思っています。
この第3世代GT-Rは・・・「歴代GT-Rと同様、極力目立たないようにデザインされた。」スポーツカー。
その祖先を辿れば、「セダンから派生(最初のGT-Rは、4ドアセダンだった。)したクーペボディにすごいエンジンを載せているけど、とにかく日本人らしく、”目立ってはいけない”形であること」を21世紀の今でも守っている「日本人が考えるスポーツカー」
目的地設定のためにNAVIシステムを触り始める・・・と・・・わからん。わからんぞ。このNAVI。
「目的地」ボタンはどれになるんだ?
よくよく見ると、F1マシンみたいにずらっとハンドルにスイッチ類がつけられ・・・でも、NAVIに関係していないらしい。
NAVI画面の下にもなんだかボタンがいっぱい並んでいる。
でも、全部英文で・・・どこを触ったら「目的地設定」になるんだ?
しばらくタッチパネル上で悪戦苦闘。あ、わかったわかった。なんとかなります。ジョグダイヤル仕様じゃないから、一回操作方法をマスターしたら、迷わなかった。
高速道路を移動開始。
すぐに(いつも通り)全開走行を開始したのかって?
いえいえ全然。
そんなことをする必要はない車両です。市街地走行の段階から、「とてつもないパワーを秘めている車両」であることを伝えてきます。ものすごくエンジンが吠えるわけでもないのに。
あの
スカイラインハイブリッドにも通じる「バカなことをしないこと。そんなことをしなくても、十分速い車。」であることを伝えてきます。
ステアリングの重さも・・・「普通の日本車」の感覚。
「すごい車だから、
Audiのような操舵セッティングなのでは?」と期待していたのですが、拍子抜けでした。「高速道路に入るからって、特別ステアリングが重くなることもなくて、ごくごく自然に車両が反応する。」車両です。
クルーズコントロールで、制限速度通り移動開始。
残念ながら、最近はやりの車間一定機能が付いていないクルーズコントロールだった。
ちょっと色々と・・・設定変更が忙しい。(周りの車両もぴったり制限速度・・・下手をするとそれ以下ぐらいで移動していた。どの地域を走っても。)
残念といえば、内装デザインが・・・「少し前の日産車」そのものなんです。
先代スカイライン前期型と同様のプラスチックの使い方。
「この内装に対して、車両価格をどう説明するんだ?」
そう思わされるのは、シートも同様。
乗り降りの際にシートに手をつくとハッとさせられます。フレームの感触が手のひらに伝わってくるんです。
シートそのものは・・・最初のうちは、「なんか腰回りがスカスカだな。ランバーサポート機能があるんじゃないか?」とシート周りのノブをあれこれ探したんですけど・・・いつの間にか体に馴染んでいました。
冒頭に言われた「Rモード禁止」は、NAVIシステム下方にある「R」と書かれたスイッチ3つのことのようで・・・Rに入れない代わりにそれぞれ他に2つのモードが設定できるようになっている。
ダンパーとエンジンと・・・何か駆動システムのモードが変えられるようになっているらしい。
ダンパーセッティングは、すごくわかりやすく変化します。
コンフォートの状態で、高速道路を制限速度通り走っていると、段差を乗り越えた後、「スプリングを抑えきれていない。」感じの揺れが残ります。
逆に、「真ん中」のモードだと、高速道路はちょうどいい。
でも、市街地だと「体が揺すられている感じ」になります。
乗り心地そのものは、どのモード(Rモードは試していません。禁止されていましたから。)でも、あの
ノートNISMOの方が、硬いです。
このGT-Rの方が、よっぽど乗りごこちがいいです。
気になったのは、駐車場に入れる時の振る舞い。
このオートマチックシステム・・・「リバース」に入れて、アクセルを離しても全くスリープしないんです。(確か、前進側はスリープしたように思える。違ったかな?)
なので、「え?え~と、今、アクセルを踏むと、バックするんだよね?」という感覚になります。これは、1日乗っていて、全く慣れなかった。まあ、少なくとも「シフトレバー操作を前進・後退で間違えることは絶対にない。」デザインになっていたことは良かったのですが。
このミッションは・・・ダイレクト感がものすごいです。アクセルに対して、ごくごく自然に変速がされているのがわかります。それもCVTや、普通のオートマチックシステムのように「反応遅れ」がないです。たまに外車(特にドイツ車)で、似たような感覚の車両があります。
ただ、代わりに「変速時の音」がすごい。特にUPシフト側で音が出るようです。DOWN側ではなく。
最初のうち、シート後方から、「ガコッ」って音が鳴り響くたびに「何か変なことしたかな?」と振り向いていました。
そう、この車両、普通の車と違って、「エンジンはフロント、ミッションはリヤシートの間にある。」構造なんです。
なので、
RX-8のように「左足がミッションの熱で暑くなる。」ことがありません。
リヤシートが狭いのか?と言われると・・・・
「
トヨタ86よりは広い」という表現の仕方になります。少なくともわざわざ座ってみようという気にはならなかったです。
高速道路を降りて、山岳地帯へ。
ブレーキは、「ごくごく自然によく効く」のですが、フルメタルパッドのようにキーキー鳴きます。
作動温度領域には関係ないみたいです。とにかく「効いてるとわかるように鳴ってくれるブレーキパッド」が装着されています。
それと、「温度が上がると急激に効き出す。」タイプのセッティングです。最初のうち、「ペダルをタッチしたのち、しばらく車両が滑走した後に急に減速する。」感覚に合わせるに時間がかかりました。停止線よりだいぶ手前で止まることができてしまう。
あまりに「ごくごく普通に動かせてしまうスポーツカー」で・・・「アクセルを踏んでいなくても、超高性能であることを伝えてくれる。別にエンジン音がうるさいわけでもない。」と思いながら走っていました。特にエンジンセッティングが・・・確か、タービン付きのエンジンだったはずです。なのにターボラグの類は、全く感じない。(最近の車両だと、
AudiA4や
LEVORGがTURBO感いっぱいだった。フラットな出力特性でないと、気を使います。)
「このGT-Rの特長とはなんだ?普通の乗用車そのものじゃないか」
と思いながら、峠区間を山頂に向かっていくと・・・この車両の最大の武器がわかりました。
このNISSAN GT-Rの武器は「旋回速度維持能力」に優れていること。
コーナーとコーナーをつなぐ区間で、猛烈にダッシュが効きます。
「エンジンだけ」「AWDシステムだけ」という個々のパーツの凄さではないです。
「ドライバーがエンジンや、タイヤに煩わされることはない。意図した通りにごくごく自然に車両が動いてくれる。”まともではない速度域でも”」
唯一弱点があるとすれば、「下り坂を前走車について行く走り方をしようとすると、普通のトルコンAT車のように滑走してしまう。」こと。
この下り坂の段階で、初めてパドルシフトを操作しました。「変速を意識させない。」ことが、「速く、安全に移動する。」ことにものすごく効果があるんだと思い知らされました。
ナビゲーションシステムの画面は、よくよく操作してみると、「水温その他車両情報」を表示できるようになっていました。
また、ステアリング上の「最後の最後まで何のためについているのかわからなかったスイッチ」が、「ストップウオッチ機能」だったということを知って・・・
やはり、「速く走るために生まれてきた車」なんだと思います。
ただ、1日走っていて、何度か同乗者と確認しあったのですが・・・
「褒めてあげることが、あまりできない車だね。」
普通は、走り出してすぐ(最初の交差点を曲がるあたり)に「この車両は、◯◯に似ている。」と思うものなんです。
でも、このNISSAN GT-Rは・・・何も思い浮かばない。「何かと似ている」なんて全く言えない車。
「市場での比較対象とする車に打ち勝つ」ために作られた車両なのではないのだと思います。
(そもそも歴代GT-Rは、特定の競技車両規則に合致させるための車両であることが求められた。)
「21世紀の日本人が、自分達自身で定めた目標をクリアするために」作り上げられた車両。
誰かの真似なんかしない。何かに似せようなんてしない。
その目標値は、ものすごくデジタル。
おそらく・・・特定のコースでのLAPタイムがその評価軸だったんだと思います。
その評価軸をクリアするためには、うるさいミッションも結構な音量のマフラーも、駐車場での微速ですら、猛烈な勢いで砂利を跳ね上げてしまう駆動システムと派手なロードノイズを出すタイヤも・・・日産車そのものの内装も全く気にならなかった。
「これまでの日本固有生産&販売のGT-Rから世界のGT-Rへ」になったはずだけど・・・
これは・・・たくさんの人に理解してもらうことは難しいだろう。
この車両に贈る言葉があるとすれば・・・
「生真面目、あまりに不器用」
「理解してくれる人だけ、わかってくれればいい。」
作り手、特に工業製品の作り手がその言葉を口にしてはいけない。
素材や部品の段階から、販売店の皆さんまで。
たくさんの人たちがこの車に関わっている。
「すごい車」であることを、たくさんの人たちに理解してもらえるようになるべきです。
NISSAN GT-Rは、このままの精神で。
この筐体を使って、外板と内装デザインを仕立て直した「INFINITI EGOIST」とでもいうような車両を仕立てて、量を裁く方法を考えた方がいいと思います。次期モデルでは。
燃費は、8.6km/Litterでした。