唾液は口の中を洗い流して

雑菌をふやさない働きをしています。

唾液の量が少なくなると、

口腔内の雑菌がふえて

感染症にかかりやすくなります。

 

前々回にお話した水分が

体調に関係しているように、

口腔状態と水分も関係が深く、

よりよい状態を維持しないと健康を損なう

と言われています。

 

分かりやすく言えば、

健康な口腔状態かどうか、

把握(アセスメント)していないと

健康を損なう危険が出てくるのです。

 

まずは、歯磨きをしているかどうか。

歯磨きが習慣になっておらず、残渣物を

残していると、雑菌の絶好の繁殖場所に

なります。

雑菌がふえると、誤嚥性肺炎の元に

なります。

 

さらに、歯ぐきに悪影響を及ぼします。

赤みや腫れ、出血などが見られませんか?

歯ぐきに異常があると、

歯に影響が及びます。

人間の歯は、抜けてしまうと、

二度と戻ってきません。

抜けてしまわないまでも

虫歯で痛みでもあろうものなら

おいしく食事ができなくなってしまいます。

そこでも健康状態を損ねる危険性があります。

 

歯ぐきの異常のほか、

舌苔(ぜったい;舌が白くなっていること)や

口臭の状態でも正常・異常の判断ができます。

 

要支援者などの「基本チェックリスト」にも

口腔状態に関する質問があります。

自分で歯の管理ができない寝たきり状態の人

に対してアセスメントするのはもちろんですが、

比較的経度の方への口腔状態の観察は

抜かりなくおこなわなくてはいけません。

意外と不衛生にしている人って

少なくありません。

 

だって、私たち元気な人たちにも

歯の定期検査って推奨されていますもんね。

体内水分量が少ないと、

できるだけ体から水分が

逃げないように働きます。

 

前回お話した「わきの下が乾く」

というのもそうですし、

汗自体をかかなくなるのもそうです。

また、こういうところにも

悪い影響が現れます。

 

大便には200~300mlほどの

水分が含まれていると言われますが、

できるだけ、その水分を少なくしよう

という働きが起こります。

そうすると大便が硬くなります。

また、便じたいが小さくなるので、

腸壁への刺激が弱くなり、

腸の運動が起こりにくくなるので、

便が降りていきません。

つまり、「便秘」です。

 

また、唾液についてもそうです。

唾液自体は再び体の中に吸収されますが、

分泌量自体が少なくなるため、

食事摂取に影響します。

 

たとえば、お菓子のクラッカー。

リッツとかを食べるときは、

口の中の唾液がクラッカーに

持っていかれますよね。

 

食べ物を飲み込むときには、

結構な量の唾液が必要ですが、

それが少ないと物が食べにくくなります。

 

また、唾液は口の中を

洗い流して、口腔内の雑菌を

洗いながす働きがありますが、

唾液の量が少ないと口の中の

雑菌が増えすぎて、

口腔内トラブルや誤嚥性肺炎を

引き起こす元になります。

 

ふだんの体調のニーズの話からは

やや横道に外れてしまった感もありますが、

便秘や食事量の低下は「体調がよい」からは

かけ離れた状態です。

「元気がない・活気がない」様子だったら、

水分量や食事量のアセスメントや

排便があるか・ないか、を

確認しておく必要があるでしょう。

健康管理の領域の3つ目のニーズは

「ふだんの体調」です。

元気があるか、ないか、

どちらかを判断します。

元気がない、活気がない、

ぼんやりしている、

覚醒していない、などです。

 

施設やデイサービスなどでは

もう当たり前の光景だと思いますが、

体温測定したり、血圧を測ったり

しますよね。

 

(元気がないな)と思って

熱が37℃を超えると

「風邪かな?」とか思いますよね。

 

そういう感じで看ていきます。

 

 

 

前の「風邪かな?」という例は、

みなさんにも分かりやすいような

例だと思うんですけど、高齢者は

熱はないけど元気がない、

ということもあります。

こういう場合、多くのケースで

「脱水」を疑います。

 

高齢者の体は筋肉量が減り、

脂肪の割合が多くなるので

体内に水分をため込む機能が

若者に比べて衰えています。

併せて腎機能も低下していて

老廃物を輩出するときは

より多くの尿を出さなければ

いけません。

そのために脱水になりやすい

と言われています。

 

併せてトイレが近くなるから、といって

水分を控えたり、

のどの渇きを感じにくくなるので

意識して水分をとるように努めないと

簡単に脱水になってしまうのです。

 

脱水にはどういう自覚症状が

起きるかというと、

お酒を飲む人は二日酔いを

思い出してくれるとよく分かります。

頭痛、吐き気、食欲不振、

寝ていたい、動きたくない、

今朝、私もそうでしたが(笑)

お酒を飲むとおしっこがたくさん出るので

脱水になるのです。

脱水になると電解質の

バランスも崩れるので

辛いのです。

 

急性の病気ではないのに

動きが悪い、顔色が悪い高齢者は

脱水によって二日酔いのような状態

になっているかもしれません。

 

はじめに体温のことを

話しましたが、

高齢者は基礎代謝量が低いため、

体温も低くなりがちです。

一般的に36.5℃が平熱ですが

高齢者になるともう少し低い人も

少なくありません。

よって、37℃を超えなくても

微熱の可能性があります。

 

通常、われわれは不感蒸泄(ふかんじょうせつ

=汗をかく)で上がった体温を下げるようにしますが

脱水になると汗もかかなくなり

微熱気味になることも多いです。

 

体温測定とともに

わきの下を触ってみるのもよいでしょう。

わきの下は常に湿っているはずで

乾いていると異常だと分かるからです。