次は、経済に関するニーズです。

 

生活していくうえで

経済はとても大切な項目です。

しかし、デリケートな部分でもあるので

アセスメントには慎重に

ならざるを得ないところでもあります。

 

しかし、まったく触れないわけにも

いきません。

経済に行き詰ってしまうことは

とても恐ろしいものだからです。

 

例えば、介護負担が大きすぎて

家で看られなくなった時、

施設入所を選択することも

あるわけですが、

施設に入れるお金が負担できない場合、

先の見えない在宅生活を続けて

思い詰めて……ということも

あり得るわけです。

 

ただ、いくら経済が困窮しても

今の制度で施設に入れない

ことはありませんので

介護者の方は、どうか

思い詰めないでください。

 

 

 

さて、収入のアセスメントでは、

家族構成も併せてアセスメントする

必要があります。

 

まず、高齢者のみ世帯、

一人暮らし世帯の場合、

収入は、ほとんど場合、年金です。

現役時代の職業を聞けば、

年金の種類やだいたいの年金額を

把握することができます。

 

いっぽう、同居家族がある場合、

同居家族の事情も知っておく

必要が出てきます。

 

子供が介護のために離職して、

本人の年金だけで生活している場合、

経済的な余裕はあまりない、と

思ったほうが良いかもしれません。

 

いっぽう、同居家族が正職に就いていれば

あまり問題視する必要はないかもしれません。

 

ただし、介護者に子供(要介護者から見れば孫)

がおり、教育費がかかる、とか、

そういう事情があると、

一概には言えない部分があります。

 

「収入」の話から、「支出」の話へ

移ってしまうので、次回は

ニーズ⑮ 支出について

お話ししたいと思います。

「食事・食生活」のニーズには、

まず、食事に関わる家事を細かく見ていきます。

「献立」・「買い物」・「調理」・「衛生管理」と

4つに分け、それぞれを「できる・できない」

と判別していきます。

できない過程にはサービスを計画する

必要があります。

 

このことは、

ニーズ⑪ 掃除・整理

ニーズ⑫ 洗濯

にも言えることです。

「掃除機は使えないけど、ほうきなら使える」

「畳むのはできるけど、干すことはできない」

というように、細分化して見ていく必要があります。

 

ニーズ⑩ 食事・食生活のアセスメントは

もうひとつ大事なアセスメントが残されています。

それは「食事の内容」です。

栄養不足の高齢者は要介護化する

リスクを抱えています。

「栄養改善」という加算があるくらいです。

最近では「フレイル」という言葉も

よく聞かれるようになってきましたね。

 

でも、食事のアセスメントって

専門的な知識が必要じゃないか、

って思いますよね。

一般人がカロリー計算するのは至難の業、

って言っても過言じゃありません。

そこで、こんな計算方法を紹介します。

 

主食のカロリー量×2=1日の摂取カロリー量

 

高齢者が1日に必要とするカロリーは

動ける人で1500Kcalは必要です。

(寝たきりの人…1300Kcal)

主食はこれの1/2あればよい

わけですから750Kcaとなります。

さらに食事を1日3回摂ると考えれば

1回あたり250Kcalの主食を

食べていればOKとなります。

 

ちなみにご飯1杯250Kcalですから

いつも普通の茶碗でご飯を食べていれば

栄養不足解消のニーズなし、となります。

 

心配なのはお粥です。

1杯150Kcalカロリーですから

3食450Kcal×2=900Kcalと、

これは栄養不足という判定になります。

ご飯が食べられないからお粥、

お粥を食べる人で肉をもりもり食べる

って人は、まずいませんから。

こういう人を見た場合は、

1日分の食事の写真でも撮って

栄養士さんに判定してもらうのが

よいでしょう。

 

ちなみに、パン食の場合、

6枚切り170Kcalと、

ややご飯より少なめです。

これにバターやマーガリンを塗れば

ご飯一杯分とほぼ同じになります。

 

 

 

ただ、最近では「カロリー数」より

「タンパク質の量」を重視する考えが

一般的になってきているようです。

人間の体はタンパク質でできていますので。

1日約60グラムほどのタンパク質は

必要だと言われています。

タンパク質の簡単な計算方法は

残念ながらよく分かりません。

こうなると、栄養士さんに

アセスメントしてもらう必要がありますね。

 

ケアマネジャーとして

どこまでアセスメントが必要か、

ということにもなってきますが、

見た目(体格・体型)、体重、

食事のボリュームぐらいは

必要な範疇ではないでしょうか。

日常生活を送るうえで

必要な家事が適切に

行われているか、

という項目です。

 

ニーズ⑩ 食事、食生活

ニーズ⑪ 掃除、整理

ニーズ⑫ 洗濯

ニーズ⑬ 生活管理全般

 

と、なっています。

 

適切になされていなければ

ニーズあり、として、

解決するプランを立てますが、

この領域は、こちらの価値観で

判定してはいけないところであります。

 

例えば、

食生活では嗜好が違いますし

整理も人それぞれの許容範囲が

あります。

家事はその人、その家庭の

習慣が色濃く出るものですから

注意が必要です。

 

憲法でいう生存権の言葉を借りれば、

健康的で文化的な生活が

送れていないほどに崩壊している

といった場合にニーズありとする、

と私は考えています。

 

ひとつひとつ解説するほどの

ものではないと思うので、今日は

ニーズ⑬ 生活管理全般のみ解説し、

次回はニーズ⑩ 食事、食生活

を解説します。

 

生活管理全般とは、家事の

ほかのニーズに入らないもので、

家の戸締り、火の始末、衣替え、

冷暖房の調節、ごみの分別など

生活を送るうえで必要なものを

指しています。

 

これらのことを本人がしているか、

していなければ誰か、ほかの人がするのか、

といったことを確認します。

本人ができず、助けてくれる人もなければ

公的なサービス、となるわけです。

いわゆる訪問介護による「生活援助」に

該当するものですね。