(前回の話はこちら 。)


急いで病院に駆けつけた私は、

点滴を受けている森(仮名)さんと再会。




「それ、言わんこっちゃない。」と言いたいところだが、

「誘い出しのプロ」として、敗北を喫しているわけだから、

こっちにも責任があるのだ。



責任の度合いは10:0(わたしが0)と言いたいところだが、

「ふぃふてぃーふぃふてぃー」になっちまう。

いや、それ以上かもしれない。





しばらくそばにいて、奥さんと話をしたが

「この人も、言ったら曲げない人ですから。すみません。」

と謝られてしまった。



「誘い出しのプロ」としては、こうして謝られることが

一番の屈辱なのだ…。





謝らないといけないのは、こっちのほうだよ、おっかさん。




「デイサービスに出ましょう、元気になれますよ。」

という言葉が口から出そうになったが、

弱っている森さんに言っても届くはずもなく、

何も言わず、その場を後にした。







そうこうしているうちに、

退院の日が近づいてきた。



あのあと何度か病院にお見舞いに行ったが、

デイサービスのデの字も言い出せず、

「ああ、またこのまま閉じこもりかあ。」と思っていたが…。



なんと、急転直下、森さんのほうから

「退院した後はデイサービスに通いたい。」

という連絡があったのだ。






翌日、外来を受診している本人と妻に遭遇。

「いつも気にかけてもらって、すみません。

本人にも言い聞かせましたから、

デイサービスのことをお願いします。」と妻。



どうも、私が何度か足を運んだことを恐縮してか、

嬉しかったのか、少し本人もその気が出たらしい。






「押してダメなら、引いてみな」ということか。




(^ε^)「じゃあ、いつから行きましょうかねえ、森さん♪」と、



ウキウキした顔で訊ねてみると…。




妻の通訳で事情を理解した森さんは、

眉のあいだにシワが寄り、

みるみる厳しい顔になった。




「飯が食われんと行かれんみたいだがや。」

               (  ̄っ ̄)





え~っ、なんでえ~(  ゚ ▽ ゚ ;)



続く 。)





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ケアマネしてて大変だなあ、と思うときは

家族関係への介入と通所をいやがる利用者の誘い出し。


「いやがる人を連れ出すことないじゃん!」という人もいるが、

閉じこもってしまったから体力が衰えて、要介護化しているわけであって、

それを傍観していることは、ケアマネとしての仕事を放棄しているだけにすぎないのだ、と思う。








しかし、それにしても誘い出すことは難しい。








この間、新しくデイサービスを利用するおじいさんを

担当することになったのだが、

その人はまさしく「誘い出されたくないプロ」なのだ。

「誘い出しのプロ」との対決やいかに…。






それは、ドクターからの一本の電話から始まった。

「閉じこもって足がふらつく人がいるから、訪問して

デイサービスか、家に手すりをつけてやってくれ。」との依頼。





家に訪問すると、ひげを生やした目のくぼんだおじいさんがぽつり。

名前は森さん(仮名)。体力低下は見るに明らか。

食事もあんまり食べていない、

水分も飲んでいない。


「何で、水分とらないんですか?」

なに?なにって?」



森さんは少し耳が遠い。


妻の通訳で、何を聞かれているか分かった。


「おしっこに行きたくないだがな。」

というのがその理由。




しかし、このおじいさん、

気持ちだけはまだ40代(?)私と同世代(??)。



「デイサービスはワシにはまだ早い。」の一本やり。



もう80超えている人ですよ。

今行かなきゃ、いつ行くんですか?

その気持ちはよいけど、いさぎよくない。





(^_^)「家にいてもおもしろくないでしょ。足も弱っちゃいますよ。」


  「散歩しとるがな。」(  ̄っ ̄)





ふらついた足でね~。10メートルほど。









(;^_^A「人と話をして気分転換でもしたら?」


  「わしは耳が遠いけ、人の話が分からんだがな。」(  ̄っ ̄)




これ、人中に出たくない年寄りの決まり文句なんだよね。



しかし、なかなか耳が遠いので、

なかなかコミュニケーションがとれず。



そして、「誘い出しのプロ」は完敗を喫し、

トボトボと事務所に戻りました。







そして翌月、案の定、

歩けなくなって入院してしまったのでした。

あ~あ。



続く




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前回、新しいテーマ、☆あいだ☆を立ち上げたことですから、

☆あいだ☆について感じたことを書いてみます。




先日、私の同僚、山本くん(仮名)が

仕事中にふとチョコレートを渡してくれました。

めずらしいことです。


「なに、どうした?」と聞くと、

「昨日、保育園の保護者会があって、その残りです。」

と答えました。

山本くんは保護者会長を務めています。


どうやら保護者会は、午後7時から開始だそう。

ちょうど晩ご飯どきです。

でも食べてきていない人も多かろう、ということで、

毎回、山本くんは「何かつまむもの」を持っていくそうです。




「何かつまむもの」というのは、あなどれませんよ。

介護の職場は女性が多いですから、

休憩時間などはおやつが飛び交います。

大阪のおばちゃんが、何かあると“アメちゃんあげる”

というのと一緒のことです。


これは、人と人との間を“おやつ”が取り持っている、

ということだなあ、と思ったのです。


タバコを吸う人も「ちょっとタバコ切らせちゃって。」

と言って、やりとりする姿をよく見かけます。

飲み会だって、お酒の注ぎあいをします。

うちのBossは、どこかに行くときは必ずカメラを持って行って、

初対面の人でも記念写真を撮り、後日郵送します。


人と人とは、

「もの」を媒介にして☆あいだ☆を取り持っているのだな、

とつくづく思いました。




大阪のおばちゃんの“アメちゃんあげる”は、

人と人との☆あいだ☆を取り持つ大きな武器ですね。



みなさんは、おもしろい武器、持っていますか?




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