今日は、1人暮らしをしている認知症のおばあさんのところへ、住宅改修の書類を持っていきました。



おばさんの玄関から道路まで、石段になっていて、とってもオシャレなんですけど、危ないんですね。段差も一定じゃないし、丸くなっている石があったり、石と石の間に隙間があって、つまずきそうだったり。



だから、こけないように手すりをつける、ってことです。



家には娘さんとおばあさんがいました。娘さんは近くに住んでいます。



部屋に通されて、さっそく書類の説明をします。



話が理解できないおばあさんは、「何をするですだ?」と、心配そうでした。私はその都度、「玄関から道路まで、手すりをつけるですよ」と説明します。すると、「ああ、そうですか。」と、少し安心したような顔をされます。

書類の説明をするまでに、何度かそんなやりとりがありました。

すぐに忘れてしまうんですね、おばあさん。



そしていよいよ、最後の書類になりました。

手すりをつける費用を口座に振り込むための書類です。



「じゃあ、口座番号を教えてもらえますか?あと、印鑑と。」



すると、横から

「何をするですだ?な?」と、

今日一番の、太くしっかりした声が聞こえました。



私は“はっ”としました。

「あの、手すりをつける書類なんです。これを役場に…」と、同じ説明をしました。

「そうですかな…」。

おばあさんは、また“分かった”という顔になりました。



帰る途中で、こんなことを思いました。







1人暮らしのおばあさん。今まで、きっと“誰にも騙されないように”って思って生きてこられたんだろうな。

「私の知らないよそ者が部屋にいて、何をしようとしているんだろう、通帳と印鑑なんて、何を企んでいるのだろう」、そう思っていたかもしれないです。



それなのに無神経にも私、銀行口座を控えて印鑑を押させていたんですね。

心配をかけてしまいました。配慮が足りませんでした。




気配り、大切です。

   ↓↓↓
正しいケアマネの歩き方  ~ケアマネタマゴが贈るケアマネ道!~-ブログランキング

昨日は、「排せつのアセスメント」ということで、ちらっとだけお話しさせていただきましたが、今日は、過去に受けた研修から、参考になりそうな排尿のアセスメント、排尿のケアについてお話ししましょう。


講師は船津良夫氏。所属はユニ・チャームの研究所の社員さんでした。


排せつに問題がある、というのは、日常生活を送るのに、また社会参加するのに、大きく影響を与えるものです。“トイレが近い”と言って、外出できなくなる人もいます。


排尿に失敗する理由は3つに分けられるといいます。

運動機能の問題…トイレに行けない、トイレに座れない

内臓の問題…膀胱障害(頻尿など)

認知機能…すばり、尿意があるか、ないか


このいずれかに該当する、ということで、どこに問題があるかによって、ケアプラン(=ケアの内容)が変わってくるわけです。


については、物理的に環境を変える(ポータブルトイレを置く、など)か、排せつに関わる運動機能の改善を目指す(歩く、衣類の上げ下げ、しゃがむ、拭き取るなど)ことを目指しますね。

②については、受診が必要です。薬を使うなどして治療するわけです。しかし、船津さんのお話では2%の人しか受診しないらしいです。

「歳を取るとトイレが近くなるのは仕方がない」「頻尿は精神的なものだろう」などと諦めて、膀胱炎を見逃したりすることもありますから、注意が必要ですね。


これがやっかいです。これ、なかなか難しい問題です。「おむつをしている人でも自立できる!」というお話も講演会などではよく聞きますが、“いやあ、とてもとても…”と、諦めてしまう場合も多いと思います。

実は私も、排せつが自立したケースというのをほとんど経験したことがありません。

お恥ずかしいことに…。


ただ、大切なヒントをもらいました。



それは「排尿自覚刺激行動療法」というものだそうです。言葉は難しいですが、実はそんなに難しいものではありません。“ほめる”ということです。


トイレでの排尿を目指しますよね。トイレまでお連れして、出ていなかったら「すごいですね、出ていませんよ」と言って、褒める。反対に、出てしまっていたら、“何も言わない”。プライドを傷つけない、ということでしょうか。


最近の研究では快刺激によって脳細胞がよみがえる、ということが言われていますね。片麻痺の方へのリハビリでも、終わったあとで褒めると改善率が高いと言われています。


認知症の人についても”認知力が上がった”、”穏やかになった”などの報告があります。

“褒める”というのは、ひとつのキーワードですね。そして、プライドは傷つけない。”不快にさせない”ということです。



もし、成功したら報告してくださいね。ブログのネタにしますから(笑)




良い報告をお待ちしております^^v

   ↓↓↓
正しいケアマネの歩き方  ~ケアマネタマゴが贈るケアマネ道!~-ブログランキング

朝礼の途中で、一本の電話がかかってきました。



電話の相手は、85歳のおばあさんを介護しているお嫁さんからでした。

どんな内容か、というと、「便の始末が少しずつ、できなくなってきた。」ということ。

デイサービスも休みがちで寝ていることが増え、トイレに行くまでに出てしまっていることもある、とのこと。



さあ、アセスメントです。

うんちを漏らしてしまう理由。



こういうとき、家族は“大変だ”という思いが強く出て、冷静な分析って、なかなかできないんですよね。

「トイレに行くまでに出てしまうんですか?」

「ズボンを下ろしたり、拭いたりすることができないんですか?」

「そもそも、便が出るかどうか分からなくなっている?」



いっぺんにこんなに質問する訳じゃないのですが、

「毎回じゃないが、この前はズボンに出てしまった」、

「後始末が大変で、お風呂に入れさせて洗った」、

「孫の子守もしているので、おばあさんまで世話しないといけなくなったら、大変だ」と、私の質問をわざと聞かないふりをしているのか分かりませんが(苦笑)、返ってくるお嫁さんの返事は的が外れているんですね。



ですから、私も

「ポータブルトイレを置いて、トイレまで行く手間を省く」

「ズボンの上げ方、下ろし方をリハビリ職に評価してもらい、指導してもらう」

「朝は便が出やすいから、朝食のあとに座らせてあげて」とか、

“下手な鉄砲、数打ちゃ当たる”方式で、いくつかの対策を提案しました。



その中で引っかかったのが、この方の場合「受診する」でした。



話の中でお嫁さん、「おばあさんは便がゆるいんですよね、いつも。」と言いました。そのときに、「それはおかしいですよね。主治医の先生に相談されたほうが良いかも?」ということを言いました。



普通は何ごともなければ、程度の差はあるにしろ、“いつも便がゆるい”ってことはないですから。

何か病気でも抱えている可能性も…?



その日の夕方、お嫁さんから電話がありました。



「気になって、あれから診察を受けて相談したんです。そしたら、「便をゆるくする下剤が出ていますから、それを抜いてみてください」って、言われたんです。」とのことでした。



「そうでしたか。じゃあ、それで様子を見てみることにしますか?」と言って電話を切りました。



あれから排便の相談はなくなりましたから、おそらくうまくいっているのでしょう。



ただ、以前はトイレに間に合っていたのに、そうじゃなくなっているので、移動が遅くなってしまっていることにも着目していかなければなりませんね。



排せつの管理は

悩ましい…。

   ↓↓↓
正しいケアマネの歩き方  ~ケアマネタマゴが贈るケアマネ道!~-ブログランキング