今日は、1人暮らしをしている認知症のおばあさんのところへ、住宅改修の書類を持っていきました。
おばさんの玄関から道路まで、石段になっていて、とってもオシャレなんですけど、危ないんですね。段差も一定じゃないし、丸くなっている石があったり、石と石の間に隙間があって、つまずきそうだったり。
だから、こけないように手すりをつける、ってことです。
家には娘さんとおばあさんがいました。娘さんは近くに住んでいます。
部屋に通されて、さっそく書類の説明をします。
話が理解できないおばあさんは、「何をするですだ?」と、心配そうでした。私はその都度、「玄関から道路まで、手すりをつけるですよ」と説明します。すると、「ああ、そうですか。」と、少し安心したような顔をされます。
書類の説明をするまでに、何度かそんなやりとりがありました。
すぐに忘れてしまうんですね、おばあさん。
そしていよいよ、最後の書類になりました。
手すりをつける費用を口座に振り込むための書類です。
「じゃあ、口座番号を教えてもらえますか?あと、印鑑と。」
すると、横から
「何をするですだ?な?」と、
今日一番の、太くしっかりした声が聞こえました。
私は“はっ”としました。
「あの、手すりをつける書類なんです。これを役場に…」と、同じ説明をしました。
「そうですかな…」。
おばあさんは、また“分かった”という顔になりました。
帰る途中で、こんなことを思いました。
1人暮らしのおばあさん。今まで、きっと“誰にも騙されないように”って思って生きてこられたんだろうな。
「私の知らないよそ者が部屋にいて、何をしようとしているんだろう、通帳と印鑑なんて、何を企んでいるのだろう」、そう思っていたかもしれないです。
それなのに無神経にも私、銀行口座を控えて印鑑を押させていたんですね。
心配をかけてしまいました。配慮が足りませんでした。
気配り、大切です。